第4節 二国間等防災協力
4-1 日本の海外に対する緊急災害支援
我が国の経験を海外の災害救援に活かすため、1970年代後半に医療チームの派遣を中心とする国際緊急援助活動が始まった。1987年に「国際緊急援助隊の派遣に関する法律」(通称JDR法)の施行及び1992年の改正により、救助チーム、医療チーム、専門家チーム、自衛隊部隊の派遣が可能となっており、これらの4チームを災害の種類や規模、被災国の要請に応じて、個別、または複数のチームを組み合わせて派遣している。我が国の国際緊急援助隊・救助チームは、国連による評価において、最高分類であるHeavyの評価を受けている。さらに、緊急無償資金協力の実施や緊急援助物資の供与も行っている。
平成26年度では、例えば、外務省において、平成27年3月に発生したバヌアツにおけるサイクロン被害や同年1月にモザンビークで発生した洪水被害等に対して、JICAを通じて、被災者の当面の生活を支援するために必要な緊急援助物資の供与を行った。また、平成26年9月に発生したインド北部及びパキスタン北東部における洪水被害等に対する緊急無償資金協力を始め、台風、地震等に対する災害復興及びその被害軽減のための無償資金協力を行った。
平成27年4月25日に発生したネパールにおける地震に対しては、緊急援助物資としてテント、毛布の供与、約16億8000万円の緊急無償資金協力を行った。また、国際緊急援助隊・救助チーム(外務省(1名:団長)、警察庁(23名)、消防庁(17名)、海上保安庁(14名)、JICA(15名)の合計70名)を被災地に派遣し、捜索救助活動を実施するとともに、国際緊急援助隊・医療チーム(第一次隊46名、第二次隊34名)を派遣し、被災地において医療支援を実施した。さらに、国際緊急援助隊・自衛隊部隊(医療援助隊)(114名)が被災地において診療等を実施した。