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平成27年版 防災白書|特集 第3章 第3節 3-3 その他アジア・太平洋における国際防災の取組


3-3 その他アジア・太平洋における国際防災の取組

(1)太平洋・島サミット

我が国と太平洋島嶼国の絆を強化するために1997年から開催されている太平洋・島サミットの第7回会合(PALM7:The Seventh Pacific Islands Leaders Meeting)が、2015年5月に福島県いわき市で開催された。安倍内閣総理大臣とパラオ大統領の共同議長の下、17か国の首脳等が参加し、防災、気候変動、環境等の7つの分野に焦点を当てつつ協力を進める「福島・いわき宣言-共に創る豊かな未来-」を採択するとともに、安倍内閣総理大臣から、今後3年間で550億円以上の支援提供と、4千人の人づくり・交流支援を行うことを表明した。

(2)東アジア首脳会議

東アジア首脳会議(EAS:East Asia Summit)は、東アジア地域及び国際社会の重要な問題について、首脳間で率直な対話を行うために、2005年に発足した。現在は、ASEAN10か国に日本、中国、韓国、豪州、ニュージーランド、インド、米国、ロシアを加えた18か国が参加している。

防災は、EASの優先協力分野の一つとされており、2014年11月に行われた第9回EASでは、安倍総理から2015年3月に仙台市で第3回国連防災世界会議を開催することが述べられた。

(3)台風委員会

台風委員会(TC:Typhoon Committee)は、国連のアジア太平洋経済社会委員会(ESCAP:Economic and Social Commission for Asia and the Far East)と世界気象機関(WMO:World Meteorological Organization)のもとに、アジア太平洋地域における台風による被害の軽減を図るため1968年に設立された政府間組織であり、気象作業部会(WGM:Working Group on Meteorology)、水文作業部会(WGH:Working Group on Hydrology)、防災リスク軽減作業部会(WGDRR:Working Group on Disaster Risk Reduction)、研修・研究調整部会(TRCG:Training and Research Coordination Group)、諮問作業部会(AWG:Advisory Working Group)から構成されている。現在は、14の国と地域(中国、香港、マカオ、フィリピン、日本、韓国、北朝鮮、ベトナム、カンボジア、ラオス、タイ、マレーシア、シンガポール、アメリカ)が加盟している。毎年総会及び統合ワークショップを開催し、活動の取りまとめや今後の活動の方向性等について議論している。

(4)ASEAN諸国との連携・協力

<1> 日ASEAN交通連携プロジェクト

国土交通省では、日本とASEANの交通分野の協力枠組である「日ASEAN交通連携」の下、様々な協力プロジェクトを実施している。その一環として、平成25年以降、「交通分野における防災協力推進プロジェクト」として、ASEAN各国交通担当省の専門家を日本に招聘し、交通分野における防災対策の知見を共有するための専門家会合を開催している。加えて、日本とASEAN各国の交通分野における防災対策の優良事例集を策定中であり、平成27年中に完成予定である。

また、同交通連携プロジェクトの一環として、日ASEAN港湾技術者会合を実施しており、平成27年からは、港湾防災をテーマとし、東日本大震災の教訓をASEAN各国と共有し、ASEAN各国が港湾防災に係る取り組みを実施する際に参照可能な「港湾防災ガイドライン(仮称)」のとりまとめに向けて3カ年計画で実施している。

<2> ASEAN諸国の国土強靱化に関する国際シンポジウムへの参加

内閣官房国土強靱化推進室では、平成27年4月に、東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA:Economic Research Institute for ASEAN and East Asia)が主催する国土強靱化シンポジウムに出席し、我が国の国土強靱化に関する知識・経験をASEAN諸国に広め、諸外国の理解の増進、国際貢献の推進を図った。

(5)アジア・太平洋地域で災害関連情報を共有する「センチネルアジア」の推進

「センチネルアジア」は、アジア太平洋地域の国々が有する衛星の観測データを活用して同地域の防災・減災へ貢献することを目的として、文部科学省及び宇宙航空研究開発機構(JAXA)が主導するアジア・太平洋地域宇宙機関会議(APRSAF:Asia-Pacific Regional Space Agency Forum)の平成17年会合において立ち上げが決定された。平成27年4月現在、25か国・地域の81機関と15国際機関が参加している。アジア防災センター(ADRC:Asian Disaster Reduction Center)や衛星保有国・地域(インド、タイ、韓国、台湾、シンガポール)の各機関との連携により、災害国からの要請に応じてWebサイトを通じて衛星観測データを提供する仕組みを構築している。平成26年には、12月にインドネシア中部で発生した土砂被害に対して、陸域観測技術術星2号「だいち2号」(ALOS-2:Advanced Land Observing Satellite-2)による観測画像を我が国から提供するなど、計18回の緊急観測対応が行われた。

(6)環太平洋インタープリベント2014の日本開催

国土交通省では、洪水、土石流、地すべり、雪崩などによる災害の防止・軽減に関する学術的な研究について推進・普及を図ることを目的に、総合的な国際学会である環太平洋インタープリベントを平成26年11月に奈良県で開催し、世界25の国・地域から約290名が参加した。日本の優れた砂防技術を紹介するとともに、各国の災害やその対策について、基調講演、口頭発表やパネルディスカッション等を行い、今後国際社会が取り組むべき研究開発のあり方を提言としてとりまとめた。

世界銀行東京ハブ(日本-世界銀行防災共同プログラム)の設立

防災は、世界銀行が掲げる、一世代の間に極度の貧困をなくし、繁栄を共有するという二つの目標達成にとって欠かすことができない重要な分野である。

世界銀行は、世界中で最も脆弱なコミュニティが気候変動と自然災害の脅威を軽減できるようにするため、防災グローバル・ファシリティプログラム(GFDRR:Global Facility for Disaster Reduction and Recovery)を立ち上げ、兵庫行動枠組(HFA)の基本理念に沿って活動してきた。

さらに、日本の防災に関するノウハウや専門性を活用した支援を強化するため、我が国と世界銀行は、平成25年4月に、「日本-世界銀行防災共同プログラム」の立ち上げを発表し、翌年2月に、世界銀行の東京事務所に、同銀行の防災支援の拠点「東京防災ハブ」が設立された。東京防災ハブでは、世界銀行本部の地域局や、世界各地の世界銀行各国事務所等と連携しながら、日本の行政機関、企業、研究者などが保有する防災に関する知見や技術と開発途上国のニーズとのマッチングを促進し、開発途上国における防災関連プロジェクトの設計・実施支援、世界各地域及び日本国内の防災研究拠点を結ぶネットワークの構築・維持、広報活動等を実施している。


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