平成25年版 防災白書|第2部 第3章 3 風水害対策


3 風水害対策

(1)MPレーダーを用いた土砂・風水害の発生予測に関する研究

独立行政法人防災科学技術研究所においては,局地的な豪雨や強風を高精度に監視・予測する技術開発を推進した。また,その予測結果に基づき,都市域におけるリアルタイム浸水被害危険度予測手法及び土砂災害の発生予測手法の開発を推進した。特に,平成23年度においては,三大都市圏と北陸地方に整備されたMPレーダのデータ解析システムを構築し,集中豪雨の予測に関する研究体制を強化した。

(2)豪雨時の山地災害対策に関する研究

独立行政法人森林総合研究所においては,豪雨・地震による山地災害の発生源対策のために必要となる崩壊・地すべり・土石流の発生機構や森林の崩壊防止機能に関する研究を行った。

(3)気候変動下での大規模水災害に対する施策群の設定・選択を支援する基盤技術の開発

国土交通省国土技術政策総合研究所においては,気候変動下の水災害リスク低減のため,現在の科学技術では避けることのできない不確実性を前提として,将来の気候変動等を考慮した洪水対策手法について研究している。平成23年度は,気候変動に係る将来のシナリオ設定手法,施策オプションの比較手法について,仮想モデル河川における簡易的なリスク試算結果に基づき検討を行った。

(平成23年度決算額 12百万円)

(4)豪雨・地震による土砂災害に対する危険度予測と被害軽減技術の開発

独立行政法人土木研究所においては,深層崩壊等異常土砂災害の発生場所及び規模推定に関する技術開発,新潟県中越地震による地すべりの発生機構の解明とそれに基づく危険度評価手法の開発,流動化する地すべりの要因の解明に関する研究を行った。

(5)風水害対策に関する研究

独立行政法人土木研究所においては,河川災害防除に関する研究及び斜面災害防止に関する研究を行った。

(6)水災害リスクマネジメント国際センター(ICHARM)の運営

独立行政法人土木研究所においては,「水災害・リスクマネジメント国際センター(ICHARM)」を通じ,世界の水関連災害の防止・軽減に貢献するべく,統合洪水解析システム(IFAS)の開発・普及,途上国行政官を対象とする洪水リスク管理技術に関する研修活動の実施及び新たにアジア開発銀行との地域技術協力連携プロジェクトを開始した。

(7)気候変化等により激甚化する水災害を防止,軽減するための技術開発

独立行政法人土木研究所においては,不確実性を考慮した地球温暖化が洪水・渇水に与える影響の予測技術の開発,堤防,構造物周辺堤防,基礎地盤を総合的に考慮した浸透安全性及び耐震性の照査技術の開発,低コストな浸透対策や効果的な地震対策等の堤防強化技術の開発に関する研究を実施した。


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