2-2 インフラの応急復旧と災害廃棄物処理
(1)インフラの応急復旧
電気・ガス・水道・情報通信等,主要なライフラインや公共サービスは,平成23年4月から6月にかけてほぼ復旧した。また,海岸,河川,道路,鉄道,港湾等といった公共インフラは,家屋等流出地域や原子力災害の警戒区域の一部を除き,応急的な復旧はほぼ完了している。なお,国道等の主要な道路は,応急的な復旧はすべて完了している。
(2)災害廃棄物処理の状況
東日本大震災では,特に津波により,岩手県,宮城県及び福島県において膨大な量の災害廃棄物及び津波堆積物が発生した。環境省の推計によれば,これら3県の沿岸市町村で発生した災害廃棄物の量は約1,600万t,津波堆積物の量は約1,000万tに及んだ。
災害廃棄物は,まず仮置場に搬入された後,破砕・選別等により,木くず,コンクリートくず等は再生資材としてリサイクルされ,それ以外の可燃物については焼却やセメント焼成されることになり,不燃混合物のうち再生資材化できないものについては埋立処分等により処理・処分される。平成25年3月末現在,岩手県,宮城県及び福島県の沿岸37市町村における災害廃棄物のうち58%,津波堆積物のうち32%が処理を完了している(図表1-1-2)。
岩手県,宮城県では,仮設焼却炉31基の設置を完了するなど,県内処理体制の整備が進み,さらに1都1府14県で72件の広域処理を実施するなどにより,平成26年3月末までに処理が可能な見込みとなっている。一方で,福島県の災害廃棄物については,相馬市及び新地町から災害廃棄物処理の代行要請を受け,相馬市内に国が建設した県内第一号の仮設焼却炉が平成25年2月から本格稼働したところである。また,広野町については,平成25年1月に災害廃棄物処理の代行要請を受け,災害廃棄物等の仮設処理施設の設置に向けて,用地の測量を行っている。国が直轄で処理する地域においても,さらなる仮置場・仮設焼却炉等の施設整備を進め,処理の加速化を図る。