(3)地域コミュニティにおける消防団等の取組
(消防団の推移)
消防団は,地域の防災力の中心・中核として,常備消防と連携しながら消火,救助等の活動を行うとともに,東日本大震災等においても多くの消防団員が出動し,住民生活を守るために不可欠な役割を果たしたほか,日常においても,各家庭の防災指導,防災訓練,巡回広報等住民生活に密着したきめ細かな活動を行っており,地域の防災活動の要になっている。
一方で,消防団は,社会環境の変化やコミュニティ意識の希薄化等に伴い,団員の減少,高齢化等が進んでいる。
例えば,消防庁の「消防防災・震災対策現況調査」によれば,地域コミュニティにおける防災活動において中心的な役割を果たしてきた消防団の団員数は減少が続いており,近年は90万人を割る状況となっているほか,30代以下の団員が6割を切っており,また,20代以下の団員は2割を切っているなど,団員の高年齢化が進んでいる。一方で,女性消防団員数は,年々増加している(図表1-0-38,1-0-39)。
(自主防災組織の推移)
次に,住民による自発的な防災活動に関する組織である自主防災組織については,消防庁の「消防防災・震災対策現況調査」によれば,平成24年4月1日現在で,全国1,742市区町村のうち1,640市区町村で15万512(前年比2.8%増)の自主防災組織が設置されており,組織による活動カバー率(全世帯数のうち,自主防災組織の活動範囲に含まれている地域の世帯数)は77.4%(前年比1.6ポイント増)となっており,組織数及び活動カバー率の上昇は緩やかである(図表1-0-40)。
また,活動カバー率の高い都道府県は,兵庫県96%,山梨県95%,愛知県95%等となっており,東海地震に係る地震防災対策強化地域及びその周辺でカバー率が高くなっている(図表1-0-41)。