4 災害廃棄物の処理等


4 災害廃棄物の処理等

(1)災害廃棄物の処理

今回の地震とそれに伴う大津波のため,大量の災害廃棄物が発生した。岩手県,宮城県及び福島県において津波により倒壊した家屋のがれきの推計量は約2,490万トンに及ぶ。環境省では,3月25日に災害廃棄物の撤去に関し,作業のための私有地立入りや,損壊家屋等の撤去について指針を示したほか,廃棄物処理法に基づき市町村が行う災害廃棄物の処理事業について,特例的措置として,国庫補助率の嵩上げや地方負担分の全額を災害対策債により対処することとし,その元利償還金の100%を交付税措置とするなど,災害廃棄物の早期処理を推進している。

(2)湛水対策等

地震による津波と地盤沈下により,沿岸低平地では湛水が発生しており,捜索活動や施設の復旧活動の障害となっている。国土交通省では,全国に配備している排水ポンプ車を集結し,3月12日以降,岩手県,宮城県及び福島県の10市6町において機動的に排水を実施した。農林水産省では,全国の農政局にポンプ派遣の要請を行い,3月14日以降,宮城県及び福島県の7市3町において災害応急用ポンプによる強制排水を実施した。

また,地盤沈下等によって安全度が低下している地域については,関係省庁が連携して,海岸堤防の整備等二次災害防止対策等を実施する予定である。

(3)液状化対策

この地震により,広い地域で液状化が発生した。液状化の影響により,道路,河川堤防,下水道,住宅等の被害が確認された。太平洋沿岸の港湾においては,液状化による埠頭の陥没,岸壁のはらみ出し等が多数発生し,津波による被害と重なり港湾の施設に大きな被害を与えた。

また,千葉県埋立地の住宅街等では,電柱の傾きやマンホールの浮き上がり,建物周囲の地盤沈下等が各所で発生し,ライフラインが長期間にわたり停止した。

内閣府は,液状化の被害を受けた住宅について,実態に即した適切な被害認定が実施できるよう,その運用の見直しを行った。

国土交通省においては,各公共土木施設の復旧に向けた液状化の発生メカニズムの確認等について,必要となる技術的な検討を進めている。

(4)適切な警戒情報等の発表等

気象庁等は,東日本大震災の被災地に対して,地盤の緩みを考慮し,震度5強以上を観測した市町村における土砂災害を対象とした大雨警報・注意報や土砂災害警戒情報の発表基準の引き下げを行った。また,河川の堤防や排水施設等が地震や津波の影響を受けた地域における浸水害を対象とした大雨警報・注意報,洪水警報・注意報及び洪水予報の発表基準の引き下げを行った。

さらに,岩手県,宮城県,福島県及び茨城県では,地盤沈下量を加味して,満潮時の潮位が高くなる大潮の時期に高潮注意報や潮位情報を発表し,海岸付近の低地の浸水や冠水に注意を呼びかける弾力的な運用を行っている。


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