内閣府防災情報のページみんなで減災

内閣府ホーム  >  内閣府の政策  >  防災情報のページ > 会議・検討会 > 防災白書 > 平成20年版 防災白書 > 3 平成19年に発生した主要な災害とその対策等 3−1 平成19年(2007年)能登半島地震

3 平成19年に発生した主要な災害とその対策等 3−1 平成19年(2007年)能登半島地震



3 平成19年に発生した主要な災害とその対策等

平成19年は,3月に平成19年(2007年)能登半島地震,4月に三重県中部を震源とする地震,7月に平成19年(2007年)新潟県中越沖地震,10月に神奈川県西部を震源とする地震が発生し,最大で震度5強若しくは震度6強を観測した。また,台風については,発生数は24個と平年より少なかったものの,7月には本州付近に停滞した梅雨前線及び台風第4号の上陸により九州地方を中心に被害が発生したほか,台風第5号や台風第9号の上陸,秋雨前線及び台風11号により,人的被害や住家被害などが発生した。林野火災による焼失面積は717haに達した。平成19年に発生した災害のうち激甚災害に指定されたものは,表1−3−1及び表1−3−2のとおり。

表1−3−1 平成19年激甚災害適用措置及び主な被災地 平成19年激甚災害適用措置及び主な被災地の表
表1−3−2 平成19年局地激甚災害適用措置及び対象区域 平成19年局地激甚災害適用措置及び対象区域の表
表1−3−3 平成19年以降に発生した主な災害 平成19年以降に発生した主な災害の表

3−1 平成19年(2007年)能登半島地震

(1)災害の状況

平成19年3月25日9時41分,能登半島沖の深さ11kmでマグニチュード6.9の地震が発生し,石川県七尾市,輪島市,穴水町で震度6強,石川県志賀町,中能登町,能登町で震度6弱,石川県珠洲市で震度5強を観測したほか,北陸地方を中心に北海道から中国及び四国地方にかけて震度1以上を観測した。9時43分には,石川県の沿岸に津波注意報が発表され,同注意報が解除された11時30分までに石川県珠洲市長橋で22cm,金沢で18cmの津波が観測された。

この地震により,死者1名,負傷者356名,住家全壊684棟,住家半壊1,733棟,住家一部破損26,935棟の被害が発生したほか,合計で13人に避難勧告が出され,最大で2,627人が自主避難した。

土砂災害については,天然ダム3件,地すべり10件,がけ崩れ51件が発生した。

ライフライン関係においては,北陸,中部電力管内で延べ約160,000戸が停電となったほか,上水道については石川県,富山県内の13,328戸が断水した。また,電気通信関係では,石川県で221回線の電話が不通となったほか,携帯電話基地局10局が停波した。

道路については,能登有料道路,国道470号能越自動車道,県管理道路等29区間において落石や陥没等により通行規制が行われた。鉄道については,JR西日本七尾線及びのと鉄道七尾線で被害が発生し運休したほか,北陸地方のJR等の各線で点検のため運転を中止した。空港についても,能登空港の滑走路に被害が発生し,3月26日の8時まで閉鎖となった。

公共土木施設では,河川151か所,海岸12か所,砂防施設等18か所,道路(橋梁を含む)666か所,港湾31か所,下水道23か所,公園3か所に被害が発生した。

農林水産関係では,農地209か所,農業用施設等488か所,林地荒廃32か所,治山施設2か所,林道施設等218か所,漁港施設等162か所等で被害が発生した。

文教施設では,国立学校施設5校,公立学校施設179校,私立学校施設32校,社会教育・体育,文化施設等155施設,文化財等16件で被害が発生した。

社会福祉施設等では,122施設に被害が発生した。

医療施設関係では,4施設に被害が発生した。

(2)国等の対応状況

地震発生後直ちに,関係省庁の局長級職員からなる緊急参集チームをはじめ,防災担当者が官邸危機管理センターに参集し,警察,消防,自衛隊,海上保安庁,国土交通省などのヘリコプターからの映像等により迅速な情報収集を行うとともに,内閣府の地震防災情報システム(DIS)を稼働させて,建物被害や人的被害などを推計し,概括的な被害規模の把握に努めた。内閣総理大臣からの「被害状況の確認と住民の安全確保に万全を期すように」との指示の下,政府一体となって初動対応に当たった。発災直後には,溝手防災担当大臣を団長とする政府調査団を現地に派遣,同日,輪島市役所内に政府現地連絡対策室を設置し,現地での情報収集や地元地方公共団体との連絡調整に当たった。

3月25日17時に,内閣府において災害対策関係省庁連絡会議を開催し,被害状況や各省庁の対応状況についての情報を共有するとともに,今後の対応を確認した。3月26日18時30分には,溝手防災担当大臣が出席し,内閣府において災害対策関係省庁連絡会議を開催し,被害状況や各省庁の対応状況についての情報を共有するとともに,次の5項目を確認した。<1>引き続き,被災公共団体と連携して被害状況の的確な把握に努めること,<2>被災者が1日も早く安心した生活に戻れるよう,災害時要援護者をはじめ,避難者等の支援対策に万全を期すこと,<3>道路や水道等のライフラインの応急対策や災害復旧に適切に対応すること,<4>その他被災者の支援,被災地の早期復旧・復興に向けて,被災公共団体からの要望等も的確に把握し,関係省庁の連携を密にしていくこと,<5>各省庁が関係地方公共団体をはじめ関係機関と緊密に連携して対応すること。更に,3月30日17時にも,内閣府において災害対策関係省庁連絡会議を開催し,被害状況とこれまでの対応,地元からの要望事項及び各省庁における当面の課題と対応状況についての情報を共有するとともに,今後の対応についての申し合わせを行った。

4月13日には,安倍内閣総理大臣による現地視察を実施した。

適用日を3月25日として,石川県が七尾市,輪島市,珠洲市,志賀町,中能登町,穴水町及び能登町に対し,災害救助法を適用した。これに基づき石川県は仮設住宅334戸を建設することとした。

また,適用日を3月25日として,石川県が県内全域に対し,被災者生活再建支援法に基づく被災者生活再建支援金支給制度を適用した。

更には,この災害について,「平成十九年能登半島地震による石川県鳳珠郡能登町等の区域に係る災害についての激甚災害及びこれに対し適用すべき措置の指定に関する政令(平成19年4月20日閣議決定,4月25日公布・施行)」により激甚災害として指定し,公共土木施設災害復旧事業等に関する特別の財政援助等の措置を適用した。なお,指定にあたっては,公共土木関係及び農地等の措置について,査定見込額が明らかに現行の指定基準を超えると見込まれる場合には,中小企業関係の特例又は森林関係の措置と同一政令において,早期に指定を行えるよう局地激甚災害指定基準を改正し(平成19年4月19日中央防災会議決定),この災害に遡及適用した。

各府省の対応は, 附属資料2 のとおり。


所在地 〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1 電話番号 03-5253-2111(大代表)
内閣府政策統括官(防災担当)

Copyright 2017 Disaster Management, Cabinet Office.