なお,現在も引き続き行われている主な復興事業等については以下のとおりである。
(1)砂防・治山事業
砂防ダムの災害復旧事業については,51基のうち,平成17年度末に45基が完成し,残りの6基は,平成18年6月完了に向けて整備を行っている。また,治山ダムについては,平成17年度末までに23渓流でダムを整備するとともに,治山激特事業を平成19年度まで延伸することとしている。
(2)交通基盤事業
a 道路整備都道については,都道(三宅一周道路)の16箇所4.2㎞の査定を受けた災害復旧事業が平成16年4月までに整備が完了した。
また,林道は,平成17年12月に災害査定を完了し,平成18年度以降に復旧工事の整備が進められている。
b 空港整備
ターミナルビルが高濃度地区内にあり供用できない状況のため,平成18年3月に高濃度地区以外に仮設ターミナルを竣工した。
なお,空港の再開については,東京都,三宅村,国土交通省,気象庁,航空会社(エアーニッポンネットワーク)など関係機関による協議が進められている。
(3)漁港の整備
村民の暮らしの基本となる被災漁港(3漁港)のうち,阿古漁港及び伊ヶ谷漁港については,平成16年度に災害復旧の工事が完了しており,坪田漁港は,平成18年度中に災害復旧工事を完了する予定で進めている。なお,伊ヶ谷漁港については,災害発生時の島外への避難のため,5,000t級の定期貨物船が利用できるよう整備を進めており,平成16年度に岸壁の整備を完了し,平成18年度にアクセス道路の拡幅工事,平成21年度に駐車場の整備を完了する予定で進めている。
(4)農地の整備
災害査定を受けた火山ガス高濃度地区を除く農地・農業用施設については,平成17年度中に災害復旧事業が完了している。なお,火山ガス高濃度地区内の農地・農業用施設の災害復旧事業は火山ガス高濃度地区解除後に実施することとしている。(5)文教・福祉施設の整備
a 学校の再開学校については,平成17年4月に開設されており,保育園(園児25人),小学校(生徒数:67人),中学校(生徒数:40人),高校(生徒数:38人。なお,秋川文教場5人)となっている(平成18年3月1日現在)。
b 特別養護老人ホームの再開
平成6年に開設された特別養護老人ホーム(入所者数:50床)については,施設復旧及び脱硫化が必要であり,平成19年度の春の再開に向けて,厚生労働省と調整を行っている。
(6)住宅対策
村営住宅については,平成18年3月31日現在で,45棟206世帯が入居している。このうち,高濃度地区住民に対する家賃免除は,平成17年度末で終了している。(7)激甚災害の指定
平成15年3月に「平成12年から平成14年までの間の三宅村の火山現象による災害」を激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律に基づく局地激甚災害に指定したところ,平成15年以降も災害が継続していることから,平成16年3月,平成17年3月には,災害期間をそれぞれ1年間延長した。その後,平成17年においても災害が継続していることから,災害期間をさらに1年間延長し,「平成17年まで」とした。また,森林に係る被害見込額等が局地激甚災害指定基準に達したため,森林災害復旧事業に対する補助の措置を新たに適用した。