平成14年7月8日3時,トラック諸島北東海上で発生した台風第7号は発達しながら西北西に進み,11日にマリアナ諸島の西海上で北西に向きを変え,13日沖の鳥島の南海上で大型で非常に強い勢力となった。14日沖縄本島南部を強い勢力で通過し,その後北東に向きを変え,九州南部,紀伊半島をかすめて北東へ進み,16日9時過ぎ伊豆半島南部へ上陸,さらに11時前には千葉県南部(館山市付近)へ再上陸した後,12時過ぎには銚子市付近を通過し,日本の東海上を北東に進み,17日3時北海道の東海上で温帯低気圧に変わった。
3−3 台風第7号
(1)災害の状況
この台風と梅雨前線の影響で,7月13日から16日にかけて中部地方,東北地方の日本海側で300mm近い大雨となり,総降水量が長野県王滝村で346mm,新潟県相川町で306mm記録された。
この台風により,負傷者9名,住家の全壊6棟,半壊25棟,一部破損198棟,床上浸水34棟,床下浸水267棟の被害が発生したほか,岩手県他5県において延べ3,403人に避難指示・勧告が出された。
ライフライン関係においては,東北・東京・中部・北陸・関西・四国・九州・沖縄電力管内で延べ約112,000戸が停電となったほか,NTT西日本で沖縄県内の1,128世帯の加入電話が不通になり,20局の携帯電話基地局が停波した。
土砂災害については,がけ崩れ,地すべり,土石流等合わせて全国で84件発生し,法面崩壊等により高速自動車国道,一般国道,都道府県道,有料道路で239か所が通行止めとなった。
農林水産業関係では,農地11か所,農業用施設35か所,林地64か所,治山施設3か所,林道198か所,漁港等4か所及び水稲,野菜を中心とした農作物等に約40億円の被害が発生した。
(2)国等の対応状況
内閣府においては,台風第6号対応で設置した情報対策室を継続させ,引き続き関係機関から情報収集を行うとともに,官邸,関係省庁に情報連絡を行った。
消防庁では,7月14日全都道府県に対して台風警戒情報を送付し,警戒を要請し,15日12時第1次応急体制をとった。
警察庁では,7月15日18時「災害警備連絡室」を設置した。
文部科学省では,教育委員会等の関係機関から被害情報を収集するとともに,臨時休校等適切な対応をとるよう要請した。
国土交通省では,7月13日11時非常体制をとった。