3−4 台風第21号



3−4 台風第21号

(1)災害の状況
 平成14年9月27日3時,南鳥島の南海上で発生した台風第21号は,30日には沖の鳥島付近で非常に強い台風となり,強い勢力を保ちながら北上し,10月1日20時頃には三浦半島を通過し,20時半頃神奈川県東部(川崎市付近)に上陸,速い速度で関東地方から東北地方,北海道を北上した後2日15時にサハリンの北西海上で温帯低気圧に変わった。
 この台風の影響で,10月1日から2日にかけて,中部地方から北海道までの広い範囲で大雨や暴風となった。この期間,神奈川県箱根町では総降水量300mmを超え,東海から関東地方の沿岸部では最大瞬間風速50メートル以上を記録したところがあったほか,東海地方から北海道までの広い範囲で最大瞬間風速40メートル以上を記録した。
 この台風により,死者4名,負傷者108名,住家の全壊12棟,半壊64棟,一部破損2,360棟,床上浸水307棟,床下浸水1,947棟の被害が発生したほか,北海道から東京都にかけて延べ約1,160人に避難勧告が出された。
 ライフライン関係においては,北海道・東北・東京・中部電力管内で延べ約952千戸が停電となった。
 土砂災害については,がけ崩れ,地すべり,土石流等が50件発生し,法面崩壊等により高速自動車国道,一般国道,都道府県道,有料道路で479か所が通行止めとなった。
 農林水産業関係では,農地294か所,農業用施設284か所,林地158か所,治山施設13か所,林道693か所,森林8,443ha(約27億円),漁港等38か所及び野菜,果樹を中心とした農作物等に約450億円の被害が発生した。

(2)国等の対応状況
 内閣府においては,10月1日14時情報対策室を設置し,関係機関から情報収集を行うとともに,官邸,関係省庁に情報連絡を行った。
 消防庁では,10月1日計25都道府県に対して台風警戒情報を送付し,警戒を要請し,1日17時30分第1次応急体制をとった。
 警察庁では,10月1日17時「災害警備連絡室」を設置した。
 文部科学省では,教育委員会等の関係機関から被害情報を収集するとともに,臨時休校等適切な対応をとるよう要請した。
 国土交通省では,10月1日14時注意体制,17時警戒体制をとった。
 また,政府はこの災害のうち森林被害については「平成14年10月1日及び同月2日の暴風雨による災害」として激甚災害の指定を行い (表1−3−3) ,その他の被害について「平成14年10月1日及び同月2日の豪雨並びに暴風雨による災害」として局地激甚災害の指定を行った (表1−3−4)(その1) (その2)

平成14年激甚災害適用措置及び主な被災地
平成14年局地激甚災害適用措置及び対象区域(その1)
平成14年局地激甚災害適用措置及び対象区域(その2)


所在地 〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1 電話番号 03-5253-2111(大代表)
内閣府政策統括官(防災担当)

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