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計画分野 1 − 教育 教育資料の提供は、コミュニティが津波の危険とはどのようなものか、その性質を理解する上で有益である。教育資料としては、次のようなものがある: 避難標識や教育的な標示、媒体資料、公共情報器材、公共サービスのお知らせ、事業者のための津波防災費用便益分析、州の目的に合わせた広報ビデオ、カリキュラム用資料、図書館的な資料のリスト、訓練資料、観光客や州や自治体の職員のための情報資料、公教育のための資料やイベント。
ハワイ州は、数十年も昔から、州全域に津波避難標識と教育器材を行き渡らせている。しかし、1994年の時点では、アラスカ、カリフォルニア、オレゴン、ワシントンの各州には、まだそのようなものは行き渡っていなかった。しかし2000年には、5州全部が既に津波避難標識を設置、もしくは設置中であったりする。西海岸とアラスカに設置された津波避難標識は、沿岸地域を移動する人々がすぐ分かるように、同一の外見と標語を有するものとなっている。1994年には、アラスカ州とハワイ州は、津波についての公共情報器材を備えていたが、他の州にはそのようなものはなかった。2000年には、各州が互いに知恵を貸し合って、5州全部に多くの器材が備わり、改良や更新も行われている。今日では、5州のほぼ全てに、媒体資料、自分の州を対象としたビデオ、学校のカリキュラム、旅行者用の情報資料、役人用の資料などが備え付けられた。今後は、事業者のための費用便益分析ツール、公共サービスのお知らせ、色々な話題に関する訓練資料などを備え付けていくことが必要になる。
計画分野 2 − 危機管理担当者のためのツール 人命保護の任務を背負う危機管理担当者のためのツールとしては、次のようなものがある:浸水マップ、避難ルート、住民ための避難マップ小冊子、警報制度、地元地域の警報システム指針、マップが作成されていないコミュニティへの手引き、コミュニティのニーズの評価、および関連の調査。
ここでもまた、ハワイ州は、これらのツールの多くを数十年も前から備え付けている。1980 年代や 1990 年代には、他の州もそれらのうちの幾つかを何らかの形で備え付けていた。しかし、それらのマップのほとんどが、不正確であったり、規模が間違っていたり、避難マップの作成という意図を満たしていなかったりした。また、避難マップを全く作成していないコミュニティも数多くあった。西海岸の各州とアラスカでは、避難ルートが設けられていたとしても一般 には公表されておらず、標識にはなおさら手が回っていなかった。地域警報システムはハワイではどこでも一貫していたが、他の州では一貫性があるものとはなっていなかった。そのため、1994年の時点では、津波警報に対するコミュニティの反応は、ハワイ州のみに統一性が見られ、また同州はそのような住民の反応に自信を持っていた。(警報発令については違いがあり、ハワイ州では州内全域に一斉に避難勧告が出されるが、他の州では、避難の意志決定はコミュニティごとに行われるため、隣のコミュニティとは違う決定となることがある。)2000年を迎えた今では、ハワイ州最大の懸案は、どのような場合に避難勧告を出す必要がないかを決めておくこととなっている。他の州は、これとは対照的に、果 たしてコミュニティに任せておいたままで、適切な時期に適切な判断を下して避難勧告を出せるかどうかと心配している。しかしこれらの州は、情報を速やかにコミュニティに伝えられるようにかなり優れた連絡支援システムを確立している。米国津波予防プログラム(NTHMP)には、まだ全州でのコミュニティマップの作成、マップが作成されていないコミュニティに対する指導、コミュニティのニーズの評価などの仕事が残されている。
計画分野 3 − 建設、被害緩和、土地使用についての指導 この目的に使用されるツールとしては、次のようなものがある:建設や建築に関する基準および要綱、ゾーン規制や土地利用要綱、インフラストラクチャー要綱、植栽要綱、および縦方向の避難についての要綱。津波危険性のある建造物をどこに、どのように建設し、どのように強化すべきかについての指導は、色々な要因が重なって、大変困難なこととなっている。一つの要因は、地殻もぐり込み地帯での激しい地震動と津波に対応できる建設技術や被害緩和技術のことを、我々がほとんど知っていないことである。別 の要素は、財産権意識の強いディベロッパーや地主と折衝を行う際に、意志決定者に対する支援が少ないことである。
ハワイは、またもやこの点でも他の州とは違っている。ハワイは、ほとんどの場合、地元で地震動を感じることなく、遠くで発生した津波の被害を受けている。ハワイは津波被害を受けたコミュニティを全て復旧するのではなく、幾つかのコミュニティを犠牲者に対する記念碑として残している。ハワイでは有効な津波対策である、津波を通 り抜けさせるためのオープン形式のホテルのロビーなどは、地殻のもぐり込み地帯に近い州では役に立たない。これらの州では、津波と同時に激しい地震動に対する対策も必要となる。この点に関しては、各州の状況は、2000 年になってもまだ1994 年と同じ状態である。米国津波予防プログラム(NTHMP)は、この点についてはまだ多くの課題を残している。
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