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米国地震被害軽減プログラム(NEHRP)の使命を記した声明文には、次のような戦略指針が示されている:
米国地震被害軽減プログラム(NEHRP)の使命は、地震に起因する人命損失、負傷者の発生、経済的損失、その他の直接・間接の地震被害を低減するために、知識、対策、政策を開発し推進していくことである。
米国地震被害軽減プログラム(NEHRP)に参加している機関の役割
米国地震被害軽減プログラム(NEHRP)に加わっている 4つの機関は、その大きな目標に向けて、それぞれが独自の技術や能力を出し合っている:
連邦緊急事態管理庁(FEMA)は、米国地震被害軽減プログラム(NEHRP)の全体的な計画や調整を中心となって受け持っている。同庁は、研究や技術開発によって上がってきた結果を、州政府や地元自治体レベルで有益な地震防災対策に移し変える部分を担当している。同庁は、地震に強いコミュニティを作り出すために公共−民間の連携を支援し、州や地元の意志決定者に地震の被害想定を提供し、被害低減のためのツールや手法を開発し、新規及び既存の建造物やライフラインの耐震性向上のために技術指導を行い、建築基準や技術的慣行について情報を作成しその普及に努めている。同庁はまた、地震防災のための公的な教育や広報事業を計画したり、支援したりしている。
国立標準技術研究所(NIST)は、建築基準や規格を改良し構造物やライフラインの耐震安全性を高めるために、地震工学の色々な問題に焦点を当てた研究を実施している。得られた結果は、新設および既存のビル、構造物、ライフラインの設計施工を向上させるために使われている。同研究所はまた、構造物やライフラインが地震の際にどのような性能あるいは挙動を見せたかを調べる地震後の性能調査も担当している。それらの結果は、今後の設計施工の改良のためには不可欠のものである。
全米科学財団(NSF)は、地球科学、工学、経済、社会の面から地震に関する幅広い基礎研究を支援している。同財団は、地震、プレートテクトニクス、地殻の変動などの原因や力学に関する基礎研究を推進している。同財団は、地質、構造、建築、ライフラインに関する研究に資金を提供し、米国の地震工学の研究能力の拡大に努めている。また、地震防災対策の社会的・経済的側面の研究も支援している。同財団はまた、科学者やエンジニアの教育にも力を注ぎ、米国の地震工学研究能力の向上に尽力をつくしている。
米国地質調査所(USGS)は、地震の発生や影響についての知識を高める地球科学の研究を実施あるいは支援し、国レベルや地域レベルの地震危険度を評価し、地震動の工学的研究を行っている。米国地質調査所(USGS)は、米国内の地震活動のモニタリングと、地震発生後の調査にも主たる責任を負っている。同所は、外部の研究計画を支援し、地震関係の製品の実用化に向けて多くのパートナーや利害関係者と共同作業を行っている。
米国地震被害軽減プログラム(NEHRP)の関係機関が実施している色々な活動は、米国全土の地震被害防止を究極の目標として、互いに補完しながら全体として大きく完結するものとなっている。その基本となっているのは、米国地震被害軽減プログラム(NEHRP)のほとんど全ての活動の源である基礎研究である。全米科学財団(NSF)と米国地質調査所(USGS)が実施する基礎研究は、地震工学、地震学、地質学、社会科学など、数多くの地震関連の分野に広がっている。これらの基礎研究から得られた知識は、国立標準技術研究所(NIST)において、地震工学および構造設計の分野での問題焦点型の研究に引き継がれる。同様に、米国地質調査所(USGS)は、これらの研究成果を利用して、長期的な地震確率予測、危険度評価、地動のマップ作成などを行っている。次に、連邦緊急事態管理庁(FEMA)が、国立標準技術研究所(NIST)や米国地質調査所(USGS)の応用研究の成果を取り入れて、地震被害低減のための各種ツールや手法を開発している。同庁はまた、研究結果を地震危険度低減のための政策や方策の立案にも利用している。こうして、あらゆるステップでのフィードバックも加わって、地震防災事業の各部分が利害関係者をも巻き込んで大きく合体し、それによって、研究成果は共有され、製品のニーズは研究者に伝えられ、さらに必要に応じて、事業の優先事項の変更が行われている。
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