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※「国土庁防災局」は、2001年より、「内閣府(防災部門)」になりました。
米国地震被害軽減プログラム(NEHRP:The National Earthquake Hazards Reduction Program)の戦略プランについて
 

米国地震被害軽減プログラム(NEHRP)の背景
 地震は防ぐことはできないが、人命や資産の損失を減らすよう、その影響をコントロールすることはかなり可能である。しかしながら、地震危険性を減らす責任は、連邦政府、州政府、地元自治体、及び民間と多岐に渡っている。米国地震被害軽減プログラム(NEHRP)は、連邦政府が中心となって押し進めている地震被害防止のための事業である。米国地震被害軽減プログラム(NEHRP)は、地震に起因する米国の人的・資産的損失を防ぐための国家レベルの長期計画として1977年に議会を通過し確立された。この事業は、地震科学や地震工学分野の研究を通じて、米国の地震被害を低減することを目標としている。この計画が前提としている命題は、"地震は起こるが、被害は防げる" である。

 米国地震被害軽減プログラム(NEHRP)は、米国議会によって承認され資金拠出を許可された国を挙げての事業であり、連邦緊急事態管理庁(FEMA)、国立標準技術研究所(NIST:National Institute of Standards and Technology)、全米科学財団(NSF:National Science Foundation)、米国地質調査所(USGS:United States Geological Survey)が共同で運営に当たっている。これら4つの連邦機関は、地震危険性に関する国民の理解を深め、その被害を低減するために、密接な協力体制を敷いている。これら4つの機関の使命は、それぞれが補い合って、全体として大きな目標を完結するものとなっている。すなわち、連邦緊急事態管理庁(FEMA)は、各州政府、地元自治体、一般の人々と協力して、地震被害防止のための政策や方策を設定する。全米科学財団(NSF)は、地震工学や地球科学分野の知識の増強を推進する。国立標準技術研究所(NIST)は、構造設計面の改良を図り、設計基準の設定を担当する。米国地質調査所(USGS)は、地震関係のモニタリングを行い、国内の地震危険度を評価し、地震発生やその影響の根底となる地球科学分野の基礎研究を進める。

 米国地震被害軽減プログラム(NEHRP)を担当している上記 4つの機関は、連邦政府や州政府の他の部署、民間企業、大学や研究機関、地域の組織、ボランティア組織、専門組織などと協力しあって、国民の地震危険性の理解に努め、その影響を低減する方法の開発等に努めている。地震被害の防止の基盤となるのは、次の事柄に関して新しい知識や理解を得るべく研究を進めることである

(1) 地震危険性
(2) その危険性に対する自然的・人工的な環境の対応
(3) 危険性を低減する技術

 地元自治体や州政府や民間に地震防災のための知識を活用させることが、米国地震被害軽減プログラム(NEHRP)が最も重要と見なしている大きな課題である。  

 

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