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EPCF
※「国土庁防災局」は、2001年より、「内閣府(防災部門)」になりました。
地域レベルにおける地震被害想定モデルの利用法
 

使用現況のアセスメント及び今後の見通し
 HAZUSを代表とするコンピュータベース被害想定手法は地域。州応急管理者にとって強力なツールとなる。HAZUS開発ソフトには、断層メカニズムの解明機能、減衰モデル、修正マーカリ震度(MMI)に代わるPGA、PGV、スペクトル技法の採用、地域の詳細な地質データ・建物インベントリの利用が反映されている。交通システムの被害、公共サービスの破壊、建物被害状況及び被災者数、また直接・間接的経済損失の予測により、ユーザーへ提供する情報のレベルと質が向上する。

 しかし、推計結果の精度を阻むデータ較差も存在する。ライフラインのパフォーマンス・データ、特にネットワークのパフォーマンスには限界がある。近代式建物の脆弱性に関するデータも実験室試験や1〜2件の地震からの実証的データに限られる。同様に、近代建築物における被災者及び死者数(構造上の倒壊の如何に関係しない)の希薄なデータは被災者モジュール結果を制限する。対象地域での詳細データの収集は被害想定手法の支援にとって不可欠である。

 ユーザーにとり、複雑なソフトを使いこなすことが新たな要求条件となってくる。HAZUSの使用は、出力データを分かりやすいフォーマットにするために複雑なコンピュータ操作及びGISマッピング技術を必要とする。また、結果の質、特に地域の地質、建物インベントリは入力データの質と制度によって影響される。HAZUSの主な便益機関である地方公共団体では往々にして被害想定を行なうのに必要な地質・建物データを有しておらず、その獲得・開発法も熟知していない状態にある。

 技術革新もしくは管理実施能力の向上を伴い、技術、技術支援教育、使用便益に関する調査及び新規ツール使用希望者への指導・支援が必要となる。また開発に対する強い支持体制も必要となる。

 州・地域の使用者にHAZUS及び他の最新被害想定ツールの採択を継続的に成功させるには支援インフラ整備が必要となる。利用可能とすべき情報源には以下のものが含まれる。

・地質、ユーティリティ、交通システム、応急サービス施設地域データ
・技術支援を提供するための調整システム
・FEMA基金地域地震計画のような地域・州利用化の奨励・支援するための計画・技術援助
・インベントリデータ構築もしくはデータ獲得援助
・事業請負に際して資金やGIS機能を持たないコミュニティに対してサービスを提供する地域被害想定センター
・データ、見識、ケーススタディをユーザーへ提供するための共有ネットワークもしくは団体

 サンフランシスコ湾地域におけるFEMA地域Ⅳ及びカリフォルニア政府応急サービス人員からの支援を受けて、HAZUSユーザーグループが被害想定技術の使用の推進・支援を行うために本年度設立された。200以上の民衆、公益企業、民間機関が参加し、訓練、地域データベースの構築、被害準備、被害軽減促進のために被害想定使用例・経験の情報交換を行った。こうした努力によって、新しい技術使用の支援に対する格差がなくなる。

 

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