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※「国土庁防災局」は、2001年より、「内閣府(防災部門)」になりました。
東京における地震被害想定とその活用について
 

I 被害想定の活用
1 地域防災計画への反映
(1)東京都地域防災計画とは
 災害対策基本法(昭和36年法律第223号)の規定に基づき、東京都防災会議が策定する計画であり、都、区市町村、指定地方行政機関、自衛隊、指定公共機関、指定地方公共機関等の防災機関がその有する全機能を有効に発揮して、都の地域における地震災害の予防、応急対策及び復旧・復興対策を実施することにより、住民の生命、身体及び財産を保護することを目的とする。

 この計画は、毎年検討を加え、必要があると認める時に修正する。

(2)東京都地域防災計画における被害想定の活用
 東京都地域防災計画(平成10年修正)については、関東大地震の再来を想定した被害想定(平成3年度公表)及び東京直下地震の被害想定(平成9年度公表)を前提とするとともに、阪神・淡路大震災の教訓、近年の社会経済情勢の変化及び都民、都議会等の各種提言を、可能な限り反映している。
〈東京都地域防災計画における、直下地震被害想定の特徴を踏まえた事項〉
-1-防災都市づくりの推進
 本被害想定の結果、地震火災による焼失面積は、環状7号線周辺やJR中央線沿線地域等、木造住宅密集市街地で大きい。こうした防災対策上の重点地域において、耐震改修の推進等により、当面10年間で不燃領域率40%以上の達成を目指すなど、災害危険性の高い地域から早急に整備を進めていく。
(*)不燃領域率……空地と不燃化が進んでいる土地が市街地に占める割合。
 市街地における火災が延焼拡大する程度を評価するひとつの指標。

-2-相互支援体制の充実・強化
 本被害想定では、直下地震といえども、東京都域における被害はかなり広範囲に及ぶという結果が出ている。都全体で約371万人の帰宅困難者や151万人の避難所生活者の発生、2,440床の医療供給不足など、東京都内の自治体の相互協力だけでは、対応の困難な事態が起こる恐れがある。

 そこで、首都圏の他の自治体との相互応援協定の内容をより実践的なものに改め、連絡体制や応援調整に関するマニュアルを作成する等、相互支援体制の充実 ・強化を図る。また、医療資器材や患者搬送車団体との間に新たな協定を締結したり、郵便局、民間企業のネットワークを活用するなど、様々な主体との協力体制の確立・強化を図る。

-3-ボランティアとの協働体制の強化
 広範囲に被害が及ぶ場合、他の自治体、企業、団体だけでなく、市民ボランティアとの協働体制の強化が不可欠である。そこで、ボランティア支援機関である  「東京ボランティア・市民活動センター」を新たに開設する。また、応急危険度判定員、語学ボランティア、東京消防庁災害時支援ボランティア等の登録者の拡大、研修の充実を図る。

-4-帰宅困難者対策の実施
 本被害想定では、地震により徒歩での帰宅が困難となる人が約371万人に達すると算出している。こうした大量の帰宅困難者の発生により予測される事態(電話の輻輳の激化、公的施設への群衆の殺到等)への対策を、地域防災計画に位置づけることが必要になった。         
 計画の内容は、(a)行政、事業所、都民の役割分担の明確化 (b)相互に連携するしくみづくり (c)安否確認手段の確保 (d)被害情報の収集伝達体制の構築 (e)水、食料等の備蓄 (f)輸送手段の確保 (g)救護対策の実施 (h)事業所・都民への啓発(i)訓練の実施、等である。    

 その他、医療救援体制の充実、ライフラインの応急復旧対策の推進などが行われている。
(3)区市町村の地域防災計画
 東京都で作成した被害想定は、東京都地域防災計画だけでなく、各区市町村が独自に作成する地域防災計画の基礎資料としても活用されている。

 

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