jishin

EPCF
※「国土庁防災局」は、2001年より、「内閣府(防災部門)」になりました。
東京における地震被害想定とその活用について
 
 東京都では地震被害の想定を調べることにより、客観的、具体的データによる最新の被害様相を明らかにし、都民の安全を守り、地震に強いまちづくりを目指す地域防災計画に反映する。併せて、都民や企業の防災意識を高め、災害時の防災行動力を高めるために活用する。
 

I 東京における直下地震の被害想定に関する調査報告(被害想定)
1 調査の目的
 東京都は、これまで昭和53年(区部)、昭和60年(多摩)、平成3年(東京都全体)に地震による被害想定を発表してきたが、いずれも海溝型地震である関東大地震の再来による被害を想定したものであった。

 その後、平成4年度に中央防災会議が「南関東地域直下の地震に対する大綱」において、「南関東地域直下の地震の発生は、ある程度切迫性を有している」と指摘した。

 そこで、この指摘を受け、現在の東京に直下地震が発生した場合の被害を推計し、都及び区市町村等の防災対策の一層の推進を図るとともに、都民の防災意識の向上に寄与するための基礎資料を得ることを目的として実施した。

 
2 調査期間
 平成6年度から平成8年度(平成9年8月公表)
 

3 想定の特色
(1)調査にあたっての基本方針
-1-東京の高度に発達した都市的状況を十分反映するとともに、より危険度の高いケースを選択して想定する。
-2-科学的、客観的な手法(500mメッシュごとの被害量の積み上げによる結果算出、モラス・山崎式によるゆれの大きさの算出、延焼シミュレーションの実施等)及び阪神・淡路大震災のデータを最大限活用し、可能な限り定量化を図る。
-3-分かりやすい被害想定とする。

(2)調査にあたって工夫した点
被害想定作業開始後の平成7年1月17日に、阪神・淡路大震災が発生し、高度に発達した都市の脆弱性等が浮き彫りになった。より現実に即した被害想定を実施するためにも、これまでの被害想定の手法や各種データを見直して、できる限り阪神 ・淡路大震災におけるデータを反映させた想定へと実施し直した。
 阪神・淡路大震災のデータに基づいて新たに実施した手法は、
-1-電気機器等からの出火、通電火災、全壊建物からの出火など、新たな出火要因を考慮した出火率を採用
-2-建物倒壊による延焼速度の低下を考慮
-3-建物被害による死者を考慮した死者率を採用などである。

また、新たに想定の対象とした項目は、
-1-鉄道脱線の被害による死傷者数
-2-がれき発生量
-3-地域別の医療需給過不足数           
-4-地域別の食料過不足数、飲料水の過不足量
-5-買い物客等私事目的で移動している人を帰宅困難者に含めるなどである。

 なお、本被害想定は、建物倒壊、火災、死者・負傷者等の一次的被害だけでなく、 避難所生活、帰宅困難、医療支障、教育支障、就業制約等の二次的被害についても 実施している。また、応急対策の参考とするための下敷き・生き埋め者数の算出や、 復興の面からみて必要な想定である、がれき発生量の算出もおこなった

 
 

前へ 】【一覧へ 】【次へ


所在地 〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1 電話番号 03-5253-2111(大代表)
内閣府政策統括官(防災担当)

Copyright 2017 Disaster Management, Cabinet Office.