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※「国土庁防災局」は、2001年より、「内閣府(防災部門)」になりました。
TriNet「シェイクマップ」:南カリフォルニア地域における地震発生時の最大地震動地図及び震度地図の迅速な再現
 
wald
図3 1994年のマグニチュード6.7のノースリッジ地震において記録された最大速度、サイトの修正振幅を表す図。速度単位はcm/秒である。黒星印は震央、白星は強いゆれ「セントロイド」を表す。

 筆者らは最近、過去の記録的なカリフォルニアにおける8件の地震の最大地震動と観測された震度を比較することにより、修正マーカリ震度vs最大加速度・速度の回帰関係を解明した。記録されたゆれと修正マーカリ震度を関連付けることで、地震観測所で記録される最大ゆれを基に発災後数分以内で震度を推計することが可能である。

 地震発生後、トリガが自動処理され、情報がデータベースに追加され、wwwオンライン・インターフェースを通して利用可能となる。ウェブサイトは最近起きた地震(例 主要波及び強度な余波)画像地図のみでなく、過去の地震のデータ処理も行い、比較基準を提供する。ウェブ上で見られる画像地図はインタラクティブなイメージ画像であり、図上の個々の観測所をクリックして選択すると観測所に関する情報(観測所名、調整、各構成種目に記録された最大地震動値を含む)を提供する一覧表が現れる。ウェブ・インターフェイスにより、各構成種目に記録されたゆれの観測値の表示が簡単となる。従来大地震発生の度にこのような情報が模索されていたが、最近ようやくその迅速な提供が可能になった。

 

課題と今後の見通し
 位置が散在し、統一間隔で立てられていない観測所網から送信されるゆれの記録をゆれ連続地図用に補正するために、基本的なサイトの修正が役立つ。例えば、周辺が盆地に囲まれた2ヶ所の岩盤上サイトを直接補正することは、盆地に起こる実際のゆれから歪んで表される。筆者らの用いる振幅修正法により、地域規模における振幅を求める簡単な手法が提供される。QTM分類に基づくサイト振幅要因の獲得のために、せん断波中間速度をもちい、さらに求めた速度に基づきボーシャードによって決定された周期・振幅従属振幅要因を適用した。

  しかし、より正確な地理ベースの図の再現及びこうした図からサイト振幅予想能力の向上を含むサイト修正の実施に関する研究開発がさらに必要である。現在一層解像度の高い地質学及び浅い地下でのせん断速度図が作成されており、現在サイト修正用に使用されているソフトのバージョンをあげる期待がかかっている。

  さらに地震発生後提供される必要パラメータにかんする討論が進行中であり、様々な見解が示されている。ゆれパラメータに基づく想定被害モデルは、変更・改定がなされ、発災後モデルに最適なパラメータが利用できるように昼夜努力がなされている。

 

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