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※「国土庁防災局」は、2001年より、「内閣府(防災部門)」になりました。
TriNet「シェイクマップ」:南カリフォルニア地域における地震発生時の最大地震動地図及び震度地図の迅速な再現
 
ディビッド・J・ワルド
(David J. Wald)
米国地質調査所 
91106カリフォルニア
 

背景
 地震発生直後に利用可能なデータの中で最も入手し易いものはマグニチュード及び震源地のデータである。しかし、被害想定パターンは単にこれらのパラメータ関数では表すことができず、被災状況を的確に把握するにはより詳細な情報の提供が必要とされる。例えば、1971年2月9日にサンフェルナンド渓谷北部にて発生した地震では、震源の深度が15km以上あったにもかかわらず南カリフォルニア地域で最大の被害をもたらした。同様に、ロマプリエタ及びノースリッジ地震による深刻な被災地域は震源地から離れていたか、直撃地ではなかったにも関わらず、初期の被害報告には探知されず、その後かなり経てからその被害が明らかとなった。「シェイクマップ」はウェブベースのリアルタイムの画像情報を提供し、南カリフォルニアでの震度4以上の地震発生時のゆれパラメータを表示する。ゆれは最大加速度、最大速度、反応スペクトル縦軸、物理的震度として表される。リアルタイム地震データ獲得技術の進歩及び新規に開発された地震動パラメータと修正マーカリ震度の相関関係を用いれば、地震発生後数分以内に「シェイクマップ」を再現できる。同地図は対象地域に強震が起きた場合、自動的に再現される。また発災に続いて潜在的に被害を与える可能性のあるゆれの程度をも即座に再現化し提供する。応急対応、被害推計、及びメディアを通しての公開情報用として使用することもできる。例えば、ゆれ震度図は建物およびライフラインのインベントリ・データベースと接続して、推計被害図を迅速に作成することができる。

  図は地震発生後数分以内にWWWを通して公開情報として、あるいは調査用に利用することができる。また応急対応機関および関連ユーザーには特別仕様が可能である。「シェイクマップ」のオンラインアドレスはhttp://www.trinet.org.である。

 
 

現況

 TriNet(カリフォルニア工科大学、カリフォルニア州鉱物・地質課、及び米国地質調査所)プロジェクト(Mori 他 1998年参照)の研究開発の一環として、昨年度筆者らは南カリフォルニア地域に発生する地震(マグニチュード3)に対して「シェイクアップ」を構築した(ワルド他)。筆者らは各最大地震動空間分布地図(加速度と速度)及び機械的震度地図を作成する。従来では地震ネットワーク計測器とデータ地震計の都合上、こうした地図を迅速かつ正確に再現することが困難であった。さらに記録された地震動と被害震度の正確な相関関係が最近になって解明された。例としては、日本気象庁の「震度」があげられる(日本気象庁 1996年)。しかし近年のデジタル通信・計算の進展に伴い、精度が高く、かつ発災後即時に地震動を図示するシステムの開発が現在では技術的に可能である。南カリフォルニア地域全土におけるゆれを詳細に描写するには、計測された地震動を補正して用いる必要がある。また目下開発中の単純地理ベース、単純周波・振幅依存型観測所の補正要因により、旧式振幅器の第1次補正を行なう上で役に立つ。

Quaternary 第四期地層
Tertiary 第三期地層
Mesozoic 中生期地層
 

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