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EPCF
※「国土庁防災局」は、2001年より、「内閣府(防災部門)」になりました。
日本の地震防災対策について
 

2.地震防災対策特別措置法
 震災対策のための国の財政上の特別措置は、これまで東海地域を中心に講じられてきたのみであるが、地震による災害から国民の生命、身体及び財産を保護するため、全国を対象とした地震対策特別 措置法が、1995年6月に議員立法により成立した。

  この法律の柱の1つは、日本全国を対象として、都道府県における地震防災緊急事業5カ年計画の作成及びこれに基づく事業を対象とした国の財政上の特別 措置(国の地方公共団体に対する補助金の補助率の嵩上げ等)について定めたことである。つまり、都道府県知事は、人口、産業の集積等の社会的条件や地勢等の自然的条件等を総合的に勘案して、地震により著しい被害が生じるおそれがあると認められる地域について「地震防災緊急事業5カ年計画」を作成することができることとなった。この計画には、避難地、避難路、地震防災拠点施設を始めとする19種類の施設等の整備計画が掲げられており、現在、47都道府県全てが1997年度を初年度とする5カ年計画を作成し、事業の推進を図っている。

 

3.地震防災情報システム(DIS)の整備
 阪神・淡路大震災においては、災害応急対策のコントロールタワーとなるべき兵庫県庁そのものが被災したこともあり、国レベルで現地の被災状況を把握することが極めて難しい状況となった。例えば、1,000名の死者が政府において確認されたのは、地震発生後、約1日経過した後であった。

  このことから地震発生直後における政府の応急対策活動の重要性、特に被害状況の早期把握の重要性が改めて認識され、情報をいかに効率よく収集、整理、分析することができるかが課題となった。そして、政府として、新しい防災情報システムの整備を図ることとなり、現在、地震防災情報システム(DIS)の整備が進められている。

  地震防災情報システムは、地震対策における予防、応急、復興・復旧の各段階において、政府の迅速・的確な意志決定をトータルに支援すること、つまり、国や地方公共団体の災害対策本部における様々なレベルにおける意志決定を支援する他、関係機関に対しても、道路、鉄道、ライフライン等の被害情報等が一目でわかる情報を提供することを始め、応急対策など各種の対策において有効な活用を図ることを目的としている。

  このシステムは、分析の基礎となる防災情報等を管理するデータベースと、実際の分析を行うサブシステムから構成されているが、サブシステムのうち、「地震被害早期評価システム(EES)」は、地震発生後の情報が極めて限られた状況下において、被害状況の規模を概ね30分で自動的に推計し、初動対応に活用するものであり、1997年4月より運用を開始している。

  運用開始以来本年8月までに、システムが起動する震度4以上の地震が 回(内、震 度5強を超えるものが 回)近く観測されているが、いずれも順調に作動している。このシステムについては今後さらに改良を検討する余地はあるが、現地からの被害状況の把握に時間を要する中で、地震発生直後に大まかではあるが被害規模を把握することができ、政府の初動活動の判断材料として役立つものとなっている。例えば、大震災後の閣議決定により、大地震が発生した場合には、国土庁、警察庁、防衛庁、消防庁など関係省庁の幹部は、緊急に総理官邸に参集し、内閣としての初動措置を始するための情報の集約を行うこととされたが、この際、EESによる被害推計結果 は、現地情報が極めて限られた中で政府の迅速な応急対策の方針決定に大きな役割を果 たすものと考えられる。

  また、「応急対策サポートシステム」は、救助活動や物資輸送などの応急対策活動の計画策定に関する支援を行うものである。主な項目としては、「輸送対策」 「救助・医療」「避難」 「ボランティア」「ライフラインj等があり、現在システムの開発を進めている。

 

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