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※「国土庁防災局」は、2001年より、「内閣府(防災部門)」になりました。
日本の地震防災対策について
 

II.阪神・淡路大震災以降に整備された体制
 1995年1月に発生した阪神・淡路大震災は、戦後、日本の現代都市を直撃した初めての大震災であり、日本の防災対策に対して種々の教訓を残している。

  例えば、都市づくりという点からは、災害の復旧や救援の拠点となる防災拠点の必要性、オープンスペースや水と緑のネットワークの必要性、建築物の耐震性の強化と不燃化の促進、都市基盤施設整備や都市構造再編の必要性、代替性の高い交通 体系等の整備の必要性等があげられる。また、危機管理体制についても、地方公共団体の危機管理機能が機能不全に陥り、国レベルでの現地情報の収集が困難になったため、迅速な対応に支障を生じたこと等の課題が明らかとなった。

 このような経験に鑑み、災害対策基本法の改定も踏まえ、様々な制度改正等が実施されている。

 

1.防災基本計画の改訂
 阪神淡路大震災から半年後の1995年7月に「防災基本計画」が抜本的に改訂された。
改訂後の防災基本計画は、①震災対策、風水害対策、火山対策など、災害の種類別に、②予防、応急、復旧といった対応の時間的順序を考慮して構成されるとともに、③国、地方公共団体、公共機関等それぞれの役割を明らかにしつつ、具体的かつ実践的に記述されるものとなった。

  新防災基本計画の施策内容は多岐にわたるが、特に話題となった事項としては、
○ 地理情報システム等による被害規模の早期把握やヘリTVシステム画像情報の収集・連絡などの情報収集面 の記述の充実
○ 広域的な応援体制、自衛隊の災害派遣、現地対策本部の設置等の災害応急体制に関する記述の充実
○ 海外からの支援の受け入れ、ボランティア活動に対する環境整備など自発的支援の受け入れに関する記述の充実
○ 高齢者、障害者、外国人等の災害弱者への配慮等があげられる。

  震災対策についても、「震災対策編」が設けられ、予防、応急及ぴ復旧にわたる施策が詳細に盛り込まれている。

  このうち特に、災害予防に関しては、耐震性を確保するための基本的な考え方として、まず、構造物・施設等の耐震設計に当たって、地震動の大きさを2段階設定し、考慮の対象とすることとした点などが挙げられる。つまり、その構造物・施設の供用期間中に1から2度程度発生する確率を持つ一般 的な地震動(レベル1)と、発生確率は低いが直下型地震や海溝型地震に起因する高レベルの地震動(レベル2)を考慮することとし、レベル1では機能に重大な支障を生じないこと、レベル2では人命に重大な影響を与えないことを基本的な目標として設計するものとされた。さらに、こうした個々の構造物等の対応に加え、施設の多重化により代替性を確保し、総合的に機能を維持する方法等も提示された。
これを受けて、関係省庁では、それぞれが所管する構造物・施設等の耐震基準の検証・改訂等を進めている。

 

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