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※「国土庁防災局」は、2001年より、「内閣府(防災部門)」になりました。
米国における地震被害軽減に関する公共政策
 

X.政府は被災者であってはならない
 連邦政府機関は、施設を建設したりリースし、また連邦政府の業務を行う州や地方自治体に対して投資したり、融資したりしている。政府機関は、重要な公共サービス計画を実施する責任があるが、これらは地震による危険性にさらされている。震災が発生した後の政府サービスが重要である反面 、政府は被災者であってはならない。連邦政府が所有している建物への震災は生命だけでなく、これらの建物を通 じて行われるサービスも危険にさらされる。望ましい成果を達成するのは難しいし、コストもかかる。連邦政府は約40万もの建物を所有しているほか、数千以上の建物をリースしている。これらの建物は多くの独立した機関が管理している。

 これは今に始まった問題ではない。いくつかの連邦機関はサンフェルナンド地震を受け、1970年代には地震に対する危険を懸念するようになった。例えば退役軍人局と国防総省は、この時期に自らが所有する建物を強化し始めた。これは入居者及び建物の崩壊によって影響を受ける可能性がある人々の安全性に加え、サービスが中断される可能性や地震時あるいは地震後に機能しなければならない建物への影響などを考慮に入れた措置だった。

 近年打ち出された2つの政策は、これらの機関及びNEHRPの関連機関、特にNISTとFEMAが出資したICSSCによる一連の活動につながったと言える。

 1つは、1990年1月5日にブッシュ大統領が出した大統領令12699(Executive Order 12699)で、これによって、連邦機関が建設したり、買収したり、リースしたりするすべての新築の建物については、地震に対する適切な設計と建築基準を満たすことが義務付けられた。建物に対する連邦政府の利害は、各機関が直接利用している建物以外にもあるため、連邦「支援」の建物、つまり連邦政府の資金、融資、資金保証などにより他者が買収したり建設した建物や、連邦政府が管理する建物についても、適切な設計や建設基準を利用することが義務付けられた。また、より強い耐震性を必要とする計画を保有する各機関に対して、それを実施することを認めている。

 もう1つは、1994年12月1日にクリントン大統領が出した大統領令12941(Executive Order 12941)で、これは連邦機関が所有し、リースしている既存の建物の地震安全の査定や、これらの建物の補強について、最低建築基準の適用を定めた。大統領令はまた各機関に対し、自らが所有し、リースした建物の在庫を準備し、1998年12月1日までにこれらの建物の受け入れがたい震災危険を軽減するためのコストを見積もるため、この在庫を利用するよう義務付けた。FEMAは、連邦政府が所有しリースする建物について、地震に対する安全性の適切な水準を達成する手法に関する議会向けの包括的な報告書を準備している。

 

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