阪神・淡路大震災教訓情報資料集【03】消防施設・資機材と水利の確保

教訓情報資料集

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  • 1.第1期・初動対応(初動72時間を中心として)
    • 1-05.火災対応
      • 【03】消防施設・資機材と水利の確保
        • 01.被災地域では、消火栓が使用不能となり、防火水槽のほか、プール、河川、ビルの水槽等の水も使われた。
          • 01) 神戸市、尼崎市、西宮市、芦屋市、伊丹市、宝塚市など、被害の大きかった地域では水道管被害による断水のため、消火栓が使用不能となった。
          • 02) 防火水槽の中には被害を受けたり倒壊家屋によって使用不能となったところもあり、使用できたところも水はすぐに尽きた。このため、河川やプールなど多様な水利が利用された。
          • 03) 西宮市では、防火水槽が多かったほか、前年秋に「異常渇水時に伴う特別消防体制」を通知していたことが奏功して井戸やプール、ビル受水槽のほか、土のう・瓦礫により河川をせき止めての取水ができた。
          • 04) 神戸市では、震度5を想定していたために消火栓が利用できるとの前提で防火水槽の配置が少なかったことや、ポンプ車・消防職員の配備状況が消防庁基準より低かったことなど、消防力整備の不足していたのではないかとの指摘もあった。
        • 02.神戸市長田区では、海水を利用した消火活動が実施されたが、ホースは東西方向の通過車両に踏まれ、何度も破裂した。
          • 01) 神戸市消防局の本部指揮所では、消防艇による海水利用を決定、消防艇「たちばな」の出動を指令した。
          • 02) 消防艇からは、最長1.2kmにわたるホース延長が行われたが、ホースは東西方向の通過車両に踏まれて何度も破裂、交換が必要だった。
        • 03.消火方法としてヘリコプターによる空中消火も検討されたが、その危険性と比較して有効性に乏しいことなどを理由に実施は見送られた。
          • 01) 神戸市消防局では、消防ヘリコプターによる消火活動を検討したが、落水の衝撃による家屋倒壊の助長や要救助者への危険、注水有効性への疑問、吹き下げ気流による火勢拡大、ヘリコプター飛行の危険性などから判断し、実施しなかった。
          • 02) 陸上自衛隊による空中消火の準備と申し入れもなされたが、18日段階ではすでに火災は鎮静化に向かっていたため神戸市消防局では要請を見送った。
          • 03) これに対しては、その後、ヘリコプターによる空中消火は可能だったのではないかという意見も出され、空中消火に関する今後の研究の必要性が示唆された。
        • 04.燃料、救助用資器材の調達が困難だったほか、消防車両の故障などへの対応も必要だった。
          • 01) 神戸市消防局では、市内ガソリンスタンドがほとんど営業していないため、姫路市から燃料調達を行ったが、交通渋滞により時間がかかり、大型ローリーから直接給油できなかったためにドラム缶等に小分けする必要もあった。
          • 02) 神戸市長田区方面で放水中の消防車両に対しては、長田消防署管内の石油会社の協力による燃料調達も行われた。
          • 03) 現場活動用の資器材として、ホース、投光器、発電機、救急資器材、のほか、エンジンカッター、チェーンソーなど各種の資器材が緊急調達された。
          • 04) 瓦礫の散乱する現場での長時間の活動や液状化の影響などにより消防車両の損傷も多かったが、神戸市内での部品入手が困難だったため、派遣都市の車両整備隊の協力を得て修理及び部品調達が行われた。

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