お財布、保険証、おくすり手帳……いつものバッグが身の助けに

東日本大震災(平成23年3月)

お財布、保険証、おくすり手帳……いつものバッグが身の助けに

新地町 60代 女性 主婦

お財布、保険証、おくすり手帳……いつものバッグが身の助けにのイラスト
インタビュー日:2012年9月19日

地震が起きたとき、すぐに「逃げなければ」と思いました。避難場所は指定されていたので迷いませんでした。それでも、避難するとき私が持っていたのは、いつも使っている小さなバッグだけでした。家を飛び出すときに、なぜか「そうだ! 免許証!」とだけはひらめいて、このバッグと一緒にあわてて持ち出したのですが、ほかのことは何一つ考えられませんでした。本当に着の身着のまま、夢中だったのです。

避難後、家はまるごと津波に流されてしまいましたから、手元にはこのバッグ以外残りませんでした。ただ、この中にお財布、保険証、診察券、おくすり手帳などが入れっぱなしになっていたのが幸いでした。薬自体は持ち出せませんでしたが、後から病院に行って、処方してもらうことができました。保険証や免許証は身分証明書代わりにもなり、後々本当に役に立ちました。大事なものはひとまとめにしておくと、いざというときにさっと持ち出せると思います。

欲を言えば、お財布の中にもう少し多めに現金を入れておけばよかったかも。ただし、いったん逃げたら、お金をとりに家に戻ったりしては絶対にいけません。それで亡くなった人がたくさんいるのですから。

thh25065

所在地 〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1 電話番号 03-5253-2111(大代表)
内閣府政策統括官(防災担当)

Copyright 2017 Disaster Management, Cabinet Office.