東日本大震災(平成23年3月)
徹底すべきだった防災訓練
気仙沼市 50代 男性 市役所職員
インタビュー日:2012年9月24日
今回の震災で助かった人も、亡くなった人も、危機意識が低かったとは到底思えません。中には、家族や近所の人を助けに行くために戻って、助からなかった人もいました。
津波のある地域には、“てんでんこ”という言葉があります。まずは、自分の命が大切です。てんでばらばらでもいいから、とにかく逃げようという教えです。これをもっと徹底しておけばよかったと思っています。
私は、市役所で防災担当を仰せつかってきました。実際、市の防災訓練は新人にしか行いませんでした。やはり職員全員の防災訓練を定期的に行うべきです。そして、防災担当が変わっても、永遠に訓練し続けることが大事です。
今年3月、全職員が担当して地域ごとにバラつきがないよう徹底して逃げる仕組みを作りました。もっと早くに作っておくべきでした。そしてこれは、市だけでなく県全体で取り組まないといけないと思います。「まさか、うちだけは‥」という意識の落差を埋めて、「ここなら安全」というイメージをもってはいけません。今ならというより今だからこそ、最高の仕組みを作れると思います。
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