平成17年台風第14号(平成17年9月)
おとなりさんがいない!
~腰まで浸かっておとしよりの救出~
(宮崎市 60代 男性)
夜になって、民生委員さんがおとなりに住んでいる人が来ていないことに気がつき、「こりゃ、大変だ」ということになりました。あの頃は自治会でも、安否をチェックする役目の人なんて決めていなかったものですから。
で、市役所の方がおられたから、こういう人がまだ来ていないので、今から迎えに行きたいんですと言うたら、「もう今日は遅いから明日にしてください」と言われました。
でも、いてもたってもいられず、1人じゃ危ないからと、仲間と2人で様子を見に行きました。堤防ぞいに歩いて、その家にたどり着き、戸をたたくと、むこうから声がしたんです。「おい、中にいるぞ!」ということでね。
こちらも腰まで水につかっている状況だから、水圧でドアが開かないんですよ。ようやくドアをたたき壊すと、家の中の物がこっちにブワーっと流れ出てきました。
85歳と83歳の老夫婦でしたから、二人とも部屋の中で、立ったまま、声も出さずに震えておられました。助けることができて、ほんとうに良かったなと思いました。