「準備万端でクールに受け止め」

平成12年(2000年)有珠山噴火(平成12年3月)

準備万端でクールに受け止め
~ニュースにならないとメディア引き上げ~

(壮瞥町 70代 男性)

うちの地域は、昭和52年の噴火を教訓に、避難所は住民が自主的に運営して、行政職員は現場に戻ってもらうという主義でやっていましたから、避難所の収容人員も少な目にしてプライバシー確保の衝立も用意し、避難したその日から町営の温泉に入れたほど、準備万端でした。

ただ、その避難所から噴火そのものは見えませんでしたから、放っておくと、「もう火の海ですよ」とか、「あの辺一帯、全滅ですよ」とか、いかにもそれらしい話ばかりが入ってくるわけです。ですから、できるだけ現場の情報を得てはもって帰って正しい情報を伝えるとともに、毎晩食事の後に、自衛隊が空撮したビデオをみなさんに見てもらいました。すると、自分の目で確かめることができて、「わあ、自分の家は安全だ」と、すごく落ち着くんですよ。危険の及ばない距離から現場を見せると納得するんですね。

私は、地域で積み重ねてきたことがどう機能するか点検している気分でしたし、災害にかみつく人が誰もいない。報道陣にマイクを向けられて「大変ですか」と聞かれても、「自然現象だからしようがない」とかいうコメントしか出ないので、記事にならないと避難所からも引き上げてしまいました。極めてクールな雰囲気でしたね。

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