山陰地方の大雪(平成22年12月~23年1月)
海に油が漏れだすおそれが
~安来(やすぎ)港で転覆船・沈没船の引き上げを実施~
(安来市 60代 男性 建設会社役員)
私どもの会社は、防波堤や離岸堤、岸壁などの海上土木を専門としています。安来港には自社の作業船を停めていますが、大雪で船がどうなっているかが心配で、正月3日に従業員が見に行きました。船外機を付けた船が傾いているとのことで、翌日引き上げることに。5~6人が出て、船を自社のクレーン船で吊り上げました。まわりを見ると、他にも雪の重みで傾いたり、ひっくり返ったり、沈んでいる船もありました。だいたいが5トン未満の船でしたね。放っておけば、海に油が漏れだすおそれもありました。当社は安来市と災害時応援協定を結んでいるので、海上保安部の許可をもらい、すぐに引き上げにかかりました。
船の中には水が入っていて、そのまま吊り上げると、船が破損してしまいます。まずは潜水士が潜り、船が壊れない位置を探してワイヤーを掛け、元の向きに直します。そして、中の水をある程度抜き、船体が浮いてきてから、ワイヤーで陸に吊り上げるという作業をしました。合計で5隻を引き上げました。