防災の動き



災害対応をより効果的に行うための取組み
~内閣府と民間企業6社との災害対応に関する連携協定の締結について~
〈内閣府(防災担当)防災計画担当〉

令和元年7月9日、内閣府は株式会社NTTドコモ、KDDI株式会社、ソフトバンク株式会社、ANAホールディングス株式会社(ANA)、日本航空株式会社(JAL)、イオン株式会社との間で、災害発生時に相互に連携協力を行う協定を締結しました。

過去の災害において、内閣府も今回協定を締結した民間企業も災害対応に尽力してきたところですが、活動を通じて様々な課題も見えてきました。今回の協定は、官民の連携を強化することによって、災害対応をより効果的に行うことを目的としております。本稿では、各社との連携協力事項について紹介いたします。

まず、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクとの連携協力事項について紹介いたします。

1つ目は、3社による通信機材の提供です。内閣府は自然災害により大きな被害が見込まれる場合等において、内閣府情報先遣チーム及びISUT※を現地に派遣します。派遣先で通信障害が発生している場合、3社が保有する衛星通信端末を提供していただくという、万が一の事態に備えるものです。

衛星通信端末(NTTドコモ提供)

衛星通信端末(NTTドコモ提供)


2つ目は、地図情報の共有です。3社が把握している通信サービス支障地域地図情報を内閣府に提供していただき、内閣府においてISUTが作成した地図情報等を3社に共有いたします。これにより、通信サービス支障地域の早期復旧が期待できます。

通信サービス支障地域の地図情報(内閣府ISUT 作成)

通信サービス支障地域の地図情報(内閣府ISUT 作成)


続いて、ANA、JALとの連携協力事項について紹介いたします。

1つ目は、災害が発生して内閣府職員が現地へ派遣される際、迅速に現地入りできるよう、各航空会社において航空機の座席確保に可能な限り協力していただくというものです。過去の災害では座席の予約や手続等において対応に時間を要す事態が発生していました。今後は、こういった事態を回避するため、各航空会社において可能な限り協力していただくことになりました。

2つ目は、航空会社による被災者支援を内閣府が手助けするというものです。各航空会社は、これまでも自主的に、航空機用特殊車両を活用して被災者支援を実施してきました。しかし、航空会社の情報網だけでは被災地のニーズを的確に把握することは困難であり、手探りで情報を集めていました。そこで内閣府は、発災時に各航空会社の提供可能な支援内容を被災自治体に情報提供しておき、困っている自治体から各航空会社へ要請が行われるようにしました。こうすることで、各航空会社はこれまで以上に効果的な支援ができるようになることが期待できます。

  • 除雪車(ANA 提供)

    除雪車(ANA 提供)

  • 給水車(JAL 提供)

    給水車(JAL 提供)


最後に、イオンとの連携協力事項について紹介いたします。

1つ目は、イオンのグループ企業が所有する店舗の駐車場等を応援部隊の進出拠点として活用するというものです。各省庁が所管する応援部隊は、災害発生時の進出拠点を予め計画に定めているものですが、それだけでは拠点が不足してしまう事態が発生した場合に、イオンの提供可能な店舗を進出拠点として活用させていただきます。

イオン店舗の活用イメージ(イオン提供)

イオン店舗の活用イメージ(イオン提供)


2つ目は、イオングループ各社による被災者支援を内閣府が手助けするというものです。イオングループは、これまでも自主的に、バルーンシェルター等の災害対応機材を活用して避難スペースを提供してきました。しかし、イオンは上述の航空会社の件同様、的確なニーズを把握することに課題を抱えていました。そこで内閣府は、発災時にイオンの提供可能な支援内容を被災自治体に情報提供しておき、困っている自治体からイオンへ要請が行われるようにしました。こうすることで、イオンはこれまで以上に効果的な支援ができようになることが期待できます。

バルーンシェルターの活用(イオン提供)

バルーンシェルターの活用(イオン提供)


内閣府としては、今後も、官民の連携により双方の災害対応がより効果的なものとなることが想定される民間企業との間で、連携協力を進めて参りたいと考えております。





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内閣府政策統括官(防災担当)

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