防災の動き

全国で広がる科学技術を活かした防災対策

近年、インターネットやスマートフォンなどのITは、災害発生時の情報収集・伝達のための手段として重要な役割を担うようになっています。本誌p.10~13でも紹介した通り、実際の災害時にも、科学技術を活用した災害対応が行われています。

全国の自治体においても、企業・大学等と連携してSNSやアプリを防災対策に活用する取組が広がっており、今回、新潟県燕市と大阪府の事例を紹介します。

サイバー・フィジカル防災訓練

地震を想定した燕市総合防災訓練において、筑波大学・京都大学・富山大学・防災科学技術研究所及び民間企業と共同で「サイバー・フィジカル防災訓練」を実施しました。これは、世界最速を目指した市民とAIによる総力型被災状況把握の訓練です。

地上では訓練参加者が被災状況を把握します。被災想定地区に被災を表すマークを事前に配置し、そのマークを発見した避難者が、避難所に設置した端末に場所と被害内容を入力します。

同時に、ドローンを飛行させ上空から被災状況を画像で収集し、クラウドソーシングを活用した人力処理に加えAIによる機械処理も用い被災箇所を特定します。

得られた結果は、避難所で閲覧できるとともに、災害対策本部にもリアルタイムで提供され意思決定の迅速化を図りました。また、市民の皆さんから被災箇所の特定作業を体験していただき、正確な情報伝達の難しさや状況認識の統一の重要性を理解していただく訓練となりました。

この訓練を通じて、クラウドソーシングとAIの可能性を追求することに協力でき、市にとっても良い経験をさせていただきました。今後の大規模災害に備えて、一日でも早く利用可能となるよう期待しています。

モニターに映し出されるドローンで集取した情報

モニターに映し出されるドローンで集取した情報

被災箇所と被害内容を入力する避難所の端末

被災箇所と被害内容を入力する避難所の端末



〈新潟県燕市総務部防災課〉


アプリを使って「大阪880万人訓練」

大阪府では、平成24年度から毎年9月「いざという時に、きちんと自分の身を守る行動ができる」よう、家族など身近な人々と考え、備えていただく「きっかけ」として、エリアメール・緊急速報メールを活用した「大阪880万人訓練」を実施しています。

今年度は、Yahoo! JAPANとの「災害に係る情報発信等に関する協定」を活用し、「Yahoo! 防災速報」アプリの新機能として、訓練で想定している南海トラフ巨大地震や、それに伴う津波が発生したときに取るべき行動がアプリ上で確認でき、災害時に取るべき行動についての知識を深めていただく新機能「訓練モード」を共同開発し「大阪880万人訓練」の時期に合わせて配信しました。

その内容は、「Yahoo! 防災速報」受信時の居場所別に取るべき行動をイラストやテキストで解説。また大津波警報が発表されたことを想定し、避難する場所 を設問形式で問い、「Yahoo! 天気・災害」で提供されている避難場所マップと連携、自宅や職場、現在地近くの避難場所を確認できるものです。

本府では、今後とも、多様な事業者にも協力をいただき、災害対応に取り組んでまいります。

防災トレーニング1「地震発生! その時、どう動く?」

防災トレーニング1「地震発生! その時、どう動く?」

防災トレーニング2「津波発生! その時、どう動く?」

防災トレーニング2「津波発生! その時、どう動く?」

防災トレーニング「その時、どう動く?」

防災トレーニング「その時、どう動く?」

「訓練モード」トップ画面( 左) と南海トラフ巨大地震の説明

「訓練モード」トップ画面( 左) と南海トラフ巨大地震の説明



〈大阪府 危機管理室 災害対策課〉


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