Disaster Management News―防災の動き

長野県北部地震における白馬村神城堀之内地区における地域住民が中心となった救助・避難活動について~日常からの共助の取り組み~

長野県北部地震

平成26年11月22日22時8分頃、長野県北部を震源とするマグネチュード6.7 最大震度6弱の長野県北部地震が発生しました。地震の激しい揺れにより長野県では全壊家屋50棟、半壊家屋91棟、負傷者46名の被害がありましたが、地域住民の助け合いによる救助活動の取り組みにより、倒壊家屋の下敷きとなった方がいたものの犠牲者を出すことはありませんでした。

白馬村堀之内地区・被災後の航空写真

被災地における倒壊した家屋

発災当日の対応

発災直後、白馬村神城堀之内地区では、鎌倉区長をはじめ地域住民や消防団の方が協力しあい警察や消防による活動を待たずに、地区内を巡回するとともに、それぞれが倒壊家屋の下敷きとなった方の救助活動や、高齢者の方などに対する避難支援などを行っていました。救出にあたっては、住民が日常使用する薪割り用チェーンソーやタイヤ交換時に使う大型ジャッキなどを用いるケースもあり、手分けをしながら救出を行いました。また、晩秋の夜間でかつ停電していたことから地区内の避難所の暖房器具が使用できない状況であったたため、鎌倉区長からの要請を受けて白馬村役場が速やかにマイクロバスや暖房のある避難施設を手配したため、深夜までには高齢者の方は暖の取れる場所へ避難することができました。

発災当日の対応

今回の被災では、地域住民が協力し救出活動を行い一人の死者も出していないことから、鎌倉区長にこのような取り組みが行えたことについてお伺いしました。
まず、その中でこのような救助活動が自発的に行えたポイントとしては、
1日頃から地域の方とのコミュニケーションを図り、地区の方を思いやる気持ちを持っていること
(挨拶などを通じた小さなことの積み重ね、親戚のような気持ちであること)
2日頃から地域で四季の行事や活動などを通じて協力しあう関係を持っていること
(祭りや野球大会など楽しみなどを通じながら協力や顔見知りとなる関係を様々な場で構築)
3消防団などの活動などや地域での取り組みの中で日頃から防災に対する意識を持つこと
(消防団を卒業後も、壮年者の方も器材の使用方法を熟知)
4リーダー一人だけでなく、それを支える人達が責任を持ち協力する関係を築いている。
(地区の方がなんらかの活動に参加し、責任を持って活動すること)
により、いざという時、共助による助け合いの気持ちを原動力とした救助・避難活動につながるということを感じました。

長野県における支え合いの取り組み

従来から長野県では、災害が発生した際、自力で避難することが困難な要配慮者の方を支援するため、地域での助け合い・支え合い関係を作っておくことが必要と考え、地域住民による「災害時住民支え合いマップ」を作成することを奨めています。このマップはまず、災害時に支援が必要な方を確認するためマップを作るとともに、その方を誰が支えるかを矢印などでつなぐなどして誰にでもわかるようにしています。また、このマップは地域の住民が話し合いの中で作成するとともに、その都度見直していくことがポイントであるとしています。白馬村においてもこのマップ作成を通じて要配慮者などの把握を毎年行っていました。


長野県「災害時住民支え合いマップ」

長野県提供

共助の取り組みの必要性

災害が発生した際は、公的機関(警察、消防、自衛隊など)による救助・避難活動だけではなく、地域住民の助け合いによる救助活動や災害への取り組みが大切です。国においても、地域の住民が地域の特性(想定される災害の種類、地形、地域住民の構成など)を踏まえ、住民自らが災害時の対応策などを決められる地区防災計画制度を平成25年度に災害対策基本法を改正して当該制度を創設し、普及に努めています。
地域の災害に備える、救助・避難活動などの計画作成にあなたも参加してみませんか。

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