特集 想像力を高めて「もしも」に備える! 災害をイメージし、防災につながる行動へ【コンテンツ編】

[イメージトレーニング PART 2] -1/2-
リスクが見えれば、なすべきことも見えてくる
災害図上訓練「DIG」をしてみよう!

Disaster(災害)、Imagination(想像力)、Game(ゲーム)の頭文字をとって名付けられた「DIG」。身近な文房具を使い、地図や見取り図に参加者自身が書き込みをすることで、自分の地域や住まい・職場に潜む災害の危険性を「見える化」し、こうならないためにはどうすればよいかをみんなで考える、頭の防災訓練なのだ。

ポイントは雰囲気作りと「健全な大ざっぱさ」

 「DIG」で大切なのは、参加者とテーマに合った地図を選ぶこと。地震や風水害など災害の種類を決め、範囲が模造紙大〜畳2枚大に収まるよう、縮尺と図面の大きさを工夫しよう。町内会・自主防災組織であれば、住宅地図の貼り合わせがよい。
 参加人数は、1グループにつき8〜12人くらいがよいだろう。4〜5グループで合計40〜60名くらい。進行・調整役であるファシリテーターや、各グループのリード役であるテーブルリーダー、受付、記録、小道具など役割分担も決めておきたい。
 テーマ設定と同じくらい重要なのが、楽しく活発な雰囲気を醸し出せるよう、緊張感を取り除くための時間を持つこと。氷のような緊張感を壊すという意味で「アイス・ブレイキング」と呼ばれているが、自己紹介を兼ねた雰囲気作りを工夫したい。
 リアルな災害イメージを持つには、被害想定調査をしっかりと読み込むこと。過去に起こった類似災害の映像や写真をみんなで見ることもお薦めしたい。建物被害の危険性を実感するには、震度別の建物全壊率分布表(注1 (PDF形式:304.0KB)別ウインドウで開きます)を利用するのもよい。
 大切なのは「健全な大ざっぱさ」。新旧の地図を比較して、地形から読み取れる災害の危険性や土地利用の適否を、大まかであっても確認しておきたい。国土地理院では明治以降の旧版地図のコピーサービスをしている(注2(国土地理院ホームページ)別ウインドウで開きます)。かつての沼地や湿地帯、水田や谷を埋めた場所は、地震の揺れは他よりも大きい。遊水地だった場所は地形的には今でも浸水に見舞われやすい。これらの基本的な土地柄を理解しておくと、議論の方向性を大きく間違えることはないだろう。
 次は具体的に地域を「診断」してみよう。住宅地図や都市計画図の上に透明シートをかぶせ、次の手順を参考に書き込みをしてみよう。

【塗り絵】鉄道、道路、川・池・沼・プール(自然水利)、学校や公園(オープンスペース)などを色分けする。これで「まちのつくり」が理解できる。

【「財産目録」づくり】官公署、医療機関、防災倉庫、食料・燃料・水が入手できる場所、危険物貯蔵施設など防災についての物的資源や危険箇所、災害時の「お役立ち人物」「気になる人物」の住まいなどを確認し、シールや付せんで示す。

【健康診断】古い木造住宅が密集している地域、消防車が入れない地域、延焼火災を食い止める建物や空間、浸水に見舞われやすい地域など、災害・被害の観点から見た要注意箇所を書き込み、全員の共通認識とする。

 でき上がった地図は、「このまま何もしないでいたら、ある日、こうなってしまうかもしれない」という、一つの未来予測図になる。そうならないために何をすればよいのかを、みんなで話し合おう。模造紙やホワイトボードに意見やアイディアを書き出し、グループごとに発表もしよう。

DIGの進め方(一例)

オリエンテーション(DIGとは何か、目的の確認、自己紹介など)

被害想定や過去の被害映像・写真を見て、具体的な被害イメージを持つ

新旧の地図を比べ、地形から読み取れる災害リスクや土地利用の誤りを理解する[地図 (1)]

住宅地図の「塗り絵」を通して、「まちのつくり」を理解する[地図 (2)]

さまざまな防災資源(人・物・こと)にシールをはり、防災「財産目録」を作る[地図 (3)]

でき上がった地図を見ながら、防災に関するまちの「メタボ度」をチェック[地図 (4)]

予防策についての話し合いと、出されたアイディアの発表・共有

DIGに必要なもの

  • 大きな地図(昔の地図と、市町村地図や住宅地図など テーマに応じて拡大コピーし、畳2枚大に貼り合わせる)
  • 透明シート(地図にかぶせて書き込むのに使う。複数枚 用意)
  • 油性のカラーペン(太字・細字両用の8〜12色セットが 便利)
  • テープ類(地図や透明シートの固定に使うガムテープや はがせるテープなど)
  • 付せん(地図上に表示したり、意見を書き出すときに使う)
  • ラベルシール(地図上にマーキングするときに使う)
  • 模造紙やホワイトボード(意見を書き出すときに使う)
DIGに必要なもの

DIGの流れ

(1)「昔の地図」数十年前の地域の地図で土地利用を比較

(2)「塗り絵」鉄道・道路・川や池・緑地を色分けして塗る

(3)「“財産目録”づくり」赤丸は一人暮らしの高齢者など「気になる人物」緑丸は町内会長など「お役立ち人物」

(4)「健康診断」古い木造家屋の密集地帯、狭い道路など災害に弱い箇所を理解

所在地 〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1 電話番号 03-5253-2111(大代表)
内閣府政策統括官(防災担当)

Copyright 2017 Disaster Management, Cabinet Office.