平成29年版 防災白書|第3部 第2章 2 2-3 その他


2-3 その他

(1)地震対策の推進

内閣府においては、甚大かつ広域な被害を及ぼすおそれがある大規模地震について、総合的な防災対策を検討するための基礎調査として、最新の科学的知見を用いた想定地震・津波の再評価及び被害想定の検討等を行う。(後掲 第2章3-3(1)

(目標)相模トラフ沿いの巨大地震等による長周期地震動の検討(平成29年度)

29年度予算額
188百万円
28年度予算額
200
差引増△減
△13
(2)南海トラフ地震及び首都直下地震応急対策活動に係る具体計画の検証

内閣府においては、大規模地震(南海トラフ地震、首都直下地震)の応急対策活動の具体計画の実効性を高めるため、緊急輸送ルート確保、被災地内の医療確保、支援物資の調達と輸送調整に係る計画内容の検証を行う。

29年度予算額
61百万円
28年度予算額
90
差引増△減
△30
(3)都市再生安全確保計画の策定の促進

内閣府においては、都市再生緊急整備地域における滞在者等の安全の確保を図るため、国、地方公共団体、民間事業者等の関係者の適切な役割分担・連携方法等を定め、それぞれが定められた事業又は事務を着実に実施できるようにする都市再生安全確保計画の策定を促進し、都市の安全・安心の確保を図る。

(4)総合防災情報システムの整備

内閣府においては、地震発災直後の被害推計、地理空間情報を活用した防災関係機関の情報共有により政府の初動対応を支援する総合防災情報システムの運用及び次期システムの開発を行う(後掲 第2章3-3(2)5-3(2))。

29年度予算額
223百万円
28年度予算額
266
差引増△減
△44
(5)交通対策の推進

警察庁においては、都道府県警察から詳細な交通情報をリアルタイムで収集し、広域的な交通管理に活用する広域交通管制システムを的確に運用する。

また、都道府県警察に対して災害に備えた交通安全施設等の整備を推進するとともに、交通規制計画等に基づき、隣接都府県警察と連携した総合的かつ実戦的な訓練を実施するよう指導する。

(6)建築物の耐震化の推進

法務省においては、矯正施設その他法務官署施設について、庁舎の規模や耐震診断結果等に応じて、耐震改修又は庁舎新営による耐震化を計画的に実施する。

(現状)耐震化率77%(平成24年度)

(目標)83%(平成30年度)

29年度予算額
23,653百万円
28年度予算額
21,148
差引増△減
2,505
(7)庁舎及び合同宿舎等の耐震化の推進

財務省においては、震災発生時における来庁者等の安全確保の観点から耐震性能の不足している庁舎等について計画的に耐震改修等を実施する。

29年度予算額
2,310百万円
28年度予算額
3,098
差引増△減
△788
(8)「国土交通省南海トラフ巨大地震対策計画」及び「国土交通省首都直下地震対策計画」に基づく巨大地震対策の推進

国土交通省においては、南海トラフ巨大地震や首都直下地震の発生に備え、国土交通大臣を本部長とする「国土交通省南海トラフ巨大地震・首都直下地震対策本部」を設置し、検討を進めるとともに、平成26年4月1日に「国土交通省南海トラフ巨大地震対策計画」及び「国土交通省首都直下地震対策計画」を策定し、それぞれの計画に基づき、訓練を実施するとともに地震・津波対策を推進している(後掲 第2章3-3(4))。

(9)鉄道施設の地震防災対策

国土交通省においては、鉄道事業者に対して鉄道施設の地震防災対策を推進するよう指導を行う。また、南海トラフ地震、首都直下地震等に備えて、主要駅や高架橋等の鉄道施設及び本州四国連絡橋(本四備讃線)の耐震対策を一層推進する。

29年度予算額
鉄道施設総合安全対策事業費補助4,172百万円の内数
都市鉄道整備事業費補助(地下高速鉄道)4,066百万円の内数
28年度予算額
鉄道施設総合安全対策事業費補助3,632百万円の内数
都市鉄道整備事業費補助(地下高速鉄道)2,160百万円の内数
本州四国連絡橋(本四備讃線)耐震補強 124百万円
差引増△減
△124
(10)建築物の耐震診断・耐震改修の促進

国土交通省においては、地震の際の住宅・建築物の倒壊等による被害の軽減を図るため、「建築物の耐震改修の促進に関する法律」の的確な運用に努めるとともに、住宅・建築物の耐震性の向上に資する事業について補助を行う。

(現状)住宅の耐震化率約82%(平成25年)
     多数の者が利用する建築物の耐震化率約85%(平成25年)

(目標)住宅の耐震化率95%(平成32年)、耐震性が不十分な住宅をおおむね解消(平成37年)
     多数の者が利用する建築物の耐震化率95%(平成32年)

29年度予算額
110,349百万円 ※この他に社会資本整備総合交付金等の内数
28年度予算額
141,920 ※この他に社会資本整備総合交付金等の内数
差引増△減
△31,571
(11)被災建築物の応急危険度判定体制の整備及び活動支援

国土交通省においては、地震により被災した建築物の危険性を速やかに判定し情報提供を行う被災建築物応急危険度判定について、人材の育成、実施体制及び支援体制の整備を推進する。

(12)空港の耐震化

国土交通省においては、地震災害時の空港機能の確保を図るため、航空輸送上重要な空港等の耐震化を実施する。

29年度予算額
389,088百万円の内数
28年度予算額
384,514百万円の内数
(13)全国活断層帯情報整備

国土地理院においては、地震被害が広範囲に及ぶと考えられる主要な活断層について、詳細な位置や地形の分類等の情報の整備・提供を実施する。

29年度予算額
57百万円の内数
28年度予算額
37百万円の内数
(14)海上輸送機能を維持する取組

国土交通省においては、大規模地震・津波発生時にも港湾機能を維持するため、緊急確保航路等における航路啓開計画の策定等の防災・減災対策を推進するとともに、港湾広域防災協議会等を設置し、国・港湾管理者・港湾利用者等の協働体制の構築を推進する(後掲 第2章3-3(5))。

29年度予算額
232,057百万円の内数 ※この他に社会資本整備総合交付金及び防災・安全交付金の内数
28年度予算額
231,712百万円の内数 ※この他に社会資本整備総合交付金及び防災・安全交付金の内数
(15)地震予知情報の報告及び東海地震に関連する情報の発表、通報

気象庁長官は、地震防災対策強化地域で大規模な地震発生のおそれがあると認めるときは、直ちに、内閣総理大臣に地震予知情報を報告する。その際、気象庁は、東海地震に関連する情報を発表するとともに、防災関係機関等に通報し、各機関で適切な防災体制が執られるよう努める。

(16)緊急地震速報、地震情報等の発表、伝達

(再掲 第1章2-1(13)

気象庁においては、地震観測の結果をもとに緊急地震速報、地震情報等を発表し、防災関係機関等に伝達し、災害の防止・軽減に努める(後掲 第2章3-3(8))。

29年度予算額
1,686百万円
28年度予算額
1,611
差引増△減
75
(17)巨大地震に備えた最低水面に係る情報の整備

海上保安庁においては、巨大地震発生時の迅速な海上輸送ルート確保のため、高低測量を実施し、海図水深の基準となる「最低水面」に係る情報を整備する。

29年度予算額
5百万円
28年度予算額
5
差引増△減
0

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内閣府政策統括官(防災担当)

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