平成27年版 防災白書|特集 第1章 第3節 3-1 HFAに基づく取組の進捗


第3節 兵庫行動枠組(HFA)に基づく取組の進捗と課題

3-1 HFAに基づく取組の進捗

HFAに基づく各国の取組の進捗については、国連ISDRによるモニタリングが行われており、その評価によると、優先行動1「防災を国、地方の優先課題に位置づけ、実行のための強力な制度基盤を確保する」に基づき、開発途上国を含め、各国の防災組織や制度が整備されたり、優先行動5「効果的な応急対応のための事前準備を全てのレベルで強化する」に基づき、早期警戒体制を含む災害応急対応体制が強化されたりした。また、科学技術の進展の成果が防災に活用されつつある傾向も見られる。

こうした防災対策の進展を表す事例を以下に2点紹介する。

(1)インド洋津波警戒体制の整備

平成16年(2004年)12月に発生したインド洋大津波の後、ユネスコ(UNESCO)政府間海洋学委員会(IOC:Intergovernmental Oceanographic Commission)において、インド洋における津波警報体制構築の取組が進められてきた。日本政府(気象庁)も、インドネシア政府の津波警報システム構築への技術支援の他、各種研修への講師派遣等を通じ、同体制の構築に積極的な貢献を行ってきた。こうした取組を経て、平成23年(2011年)10月に、インド洋における津波警報体制が正式に運用を開始し、オーストラリア気象局(BoM:Bureau of Meteorology)、インド国立海洋情報センター(INCOIS:Indian National Center for Ocean Information Services)、インドネシア気象・気候・地球物理庁(BMKG:Badan Meteorologi, Klimatologi, dan Geofisika)の3機関が情報発表を行う体制が構築された。

(2)バングラデシュのサイクロン対策の進展

バングラデシュでは、これまで大規模なサイクロンに見舞われ、1970年には30万人もの死者・行方不明者を出した。その後、日本の無償資金協力によるサイクロン用の避難所の設置とそれに伴う避難訓練の実施により、1991年に発生したサイクロンでは14万人弱、2007年に発生したサイクロンでは5千人弱と、人的被害は大幅に軽減されている。

図表6 バングラデシュにおけるサイクロンシェルター設置とサイクロン被害の関係図表6 バングラデシュにおけるサイクロンシェルター設置とサイクロン被害の関係

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