平成26年版 防災白書|特集 第1章 2 首都直下地震及び南海トラフ地震


2 首都直下地震及び南海トラフ地震

ところで、首都直下地震及び南海トラフ地震についても、昨年から検討が進んでいることから、まず、これらについて簡単に整理しておきたい。


まず、「首都直下地震」とは、首都及びその周辺地域の直下で発生するマグニチュード7クラスの地震及び相模トラフ(相模湾から房総半島南東沖までの海底の溝)沿い等で発生するマグニチュード8クラスの海溝型地震のことである。

中央防災会議のワーキンググループの平成25年の報告では、いくつかのタイプに分けて想定を行い、30年以内に70%の確率で起きるとされるマグニチュード7クラスの首都直下地震が都心南部直下で発生した場合には、最悪の場合、死者が約2万3,000人、経済被害が約95兆円に上るとの想定が発表されている。

同報告では、建物の耐震化の推進や出火防止策の強化等事前に対策を講じれば被害は大幅に減るとし、しっかりとした備えの重要性について指摘している(中央防災会議首都直下地震対策検討ワーキンググループ(2013)「首都直下地震の被害想定と対策について(最終報告)」参照)。


次に、「南海トラフ地震」とは、南海トラフ(駿河湾から日向灘沖までの太平洋沖の海底の溝)沿いで発生する最大クラスの地震(マグニチュード9クラス)のことである。

この地震については、平成25年度に中央防災会議のワーキンググループから報告が出されており、最大で死者約32万3,000人、約170兆円の直接被害と約45兆円の生産・サービス低下の影響が出るとされている。

同報告では、耐震化や津波避難対策等の防災・減災対策を講じれば、被害量は確実に減らすことができる旨指摘している(中央防災会議南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ(2013)「南海トラフ巨大地震対策について(最終報告)」参照)。


なお、以前は「南海トラフ巨大地震」という用語が使われていたが、現在では、「南海トラフ地震」という用語が使われるようになっている。そのため、特集部分では、以前の報告書を引用したり、会議名等を除き、原則として、「南海トラフ地震」という用語を使っている。


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