3−1 震災対策 (3)地震対策に関する法制度



(3)地震対策に関する法制度
図2−3−7 我が国の地震防災に関する法律体系 図2−3−7 我が国の地震防災に関する法律体系の図

a 地震防災対策特別措置法

阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ,地震による災害から国民の生命,身体及び財産を保護するため,平成7年7月に「地震防災対策特別措置法」が施行された。この法律により,都道府県知事は人口及び産業の集積等の社会的条件や地勢等の自然的条件等を総合的に勘案して,著しい地震災害が生じるおそれがあると認められる地区について,「地震防災緊急事業五箇年計画」を作成することができることとなった。「地震防災緊急事業五箇年計画」に基づく事業の一部については,国庫補助率の嵩上げ措置を受けられることになる。また,地震に関する調査研究の推進のための体制の整備等について定め,文部科学省に地震調査研究推進本部を設置し,地震防災対策の強化を図り,もって社会の秩序の維持と公共の福祉の確保に資することを目的としている。

同法は,平成13年,平成18年に,地震防災緊急事業に係る国庫補助率の嵩上げについて,期限を5年間延長する等の改正が行われている。また,平成18年の改正においては,公立小中学校等の屋内運動場(体育館)の補強についてもその対象に追加したほか,都道府県防災会議が都道府県地域防災計画において,被害想定の実施とその被害軽減のための対策の実施に関する目標の設定を推進するとともに,関係地方公共団体は地震・津波に関するハザードマップの作成及び地域住民への周知を推進することとした。さらに,平成20年の改正においては,公立小中学校等の学校施設について,耐震診断の実施及び耐震診断を行った建物(棟)毎の結果の公表を義務付けるとともに,倒壊の危険性が高いものについては,国庫補助率の更なる拡充が図られた。

b 「大規模地震対策特別措置法」及び「地震防災対策強化地域における地震対策緊急整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律」

東海地震については,近い将来に発生する可能性が高いと考えられ,また,予知体制の整備が図られていることから,大規模地震対策特別措置法(昭和53年6月公布。同年12月施行。以下「大震法」という。)に基づき,対策が講じられている。同法では,大規模な地震による災害から,国民の生命,身体及び財産を保護するため,あらかじめ地震防災対策強化地域(以下「強化地域」という。)の指定を行ったうえで,同地域に係る地震観測体制の強化を図るとともに,大規模な地震の地震予知情報が出された場合の地震防災体制を整備しておき,地震による被害の軽減を図ることを目的としている。平成22年4月1日現在,東海地震に係る強化地域は8都県160市町村の区域が指定されている。同法においては,内閣総理大臣による警戒宣言,国,地方公共団体,指定公共機関,特定の民間事業者等による強化地域に係る地震防災計画の作成等が規定されている(詳細は 別頁 を参照)。

また,地震防災対策強化地域における地震対策緊急整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律(昭和55年5月公布。同日施行。以下「地震財特法」という。)では,強化地域における地震防災対策の推進を図るため,関係地方公共団体等が実施する地震対策緊急整備事業(地震防災強化計画に基づく地震防災上緊急に整備すべき施設等の整備事業)の一部について国庫補助(負担)率の嵩上げ及び地方財政措置等の国の財政上の特別措置が講じられることとされている。同法は,昭和55年の制定後,昭和60年,平成2年,平成7年,平成12年,平成17年,平成22年に期限を延長する等の改正が行われている(詳細は 別頁 を参照)。

c その他

東南海・南海地震や日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震については,地震による強い揺れや津波により,極めて広域で甚大な被害が予想されることから,事前に計画的かつ着実に事前の防災対策を進める必要があるとして,「東南海・南海地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法」(平成14年7月公布。平成15年7月施行。),「日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法」(平成16年4月公布。平成17年9月施行。)に基づき,対策が講じられている。これらの法律においては,国,地方公共団体,指定公共機関,特定の民間事業者等による計画の作成等が規定されている(詳細は 別頁1別頁2 を参照)。


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