次頁 ３−４ 平成２０年７月２８日からの大雨による災害
（１）災害の状況
７月２８日から２９日にかけて，日本付近は上空に寒気を伴った気圧の谷の通過と高気圧の縁を回る下層の暖かく湿った空気により大気の状態が不安定となり，中国，近畿，北陸および東北地方を中心に大雨となった。２８日には，北陸地方では富山県南砺市の五箇山で１時間に７５．０ミリ，近畿地方では京都府京丹後市の峰山で１時間に８１．０ミリの雨を観測した。
この大雨により，死者６人，重傷者１人，軽傷者１２人，住家全壊６棟，住家半壊１６棟，住家一部破損６１棟，床上浸水５３６棟，床下浸水２，４６４棟などの被害が発生した。
土砂災害については，５府県の１１市町で７０件発生した。
河川については，小矢部川水系小矢部川等４水系５河川ではん濫危険水位（危険水位）を超えたほか，３水系４河川で避難判断水位（特別警戒水位）を超え，各地で浸水被害等が発生した。
ライフライン関係においては，北陸・中部・関西・中国・四国電力管内で延べ約１０９，０００戸が停電となったほか，上水道については富山県等で９８５戸が断水した。電気通信関係では，三重県及び京都府等で携帯電話基地局１３３局が停波した。
道路については，都県管理道路等１７区間で通行規制が行われた。
公共土木施設では，河川２１３か所，河川管理施設９か所，砂防４０か所，道路２９２か所，港湾３施設，下水道１施設，公園３施設に被害が発生した。
農林水産関係では，農地２，５８１か所，農業用施設等１，７９６か所，林地荒廃７８か所，治山施設１か所，林道施設７８０か所，養殖施設１か所に被害が発生した。
文教施設では，国立学校施設４校，公立学校施設３１校，私立学校施設２校，社会教育・体育，文化施設等１６施設，文化財等９件で被害が発生した。
社会福祉施設等では，１３施設に被害が発生した。
（２）国等の対応状況
適用日を７月２８日として，富山県は南砺市に，石川県は金沢市に災害救助法を適用した。
また，適用日を７月２８日として，石川県が金沢市に対し，被災者生活再建支援法に基づく被災者生活再建支援金支給制度を適用した。
更に，「平成二十年七月二十七日から同月二十九日までの間の豪雨による富山県南砺市及び石川県金沢市の区域に係る災害についての激甚災害並びにこれに対し適用すべき措置の指定に関する政令（平成２０年８月２６日閣議決定，８月２９日公布・施行）」により激甚災害として指定し，農地等の災害復旧事業等に係る補助の特別措置等を適用した。
各府省の対応は， 附属資料３ のとおり。