3−5 平成19年台風第5号



3−5 平成19年台風第5号

(1)災害の状況

7月29日15時にマリアナ諸島近海で発生した台風第5号は,非常に強い勢力へと発達し,8月2日18時前に強い勢力で宮崎県日向市付近に上陸した。台風はその後も北上し,3日1時過ぎには山口県宇部市付近へ再上陸し,日本海へ進んだ。日本海を北東に進んだ台風は,4日13時頃,青森県津軽半島に再上陸し,同日15時に青森県下北半島の北東海上で熱帯低気圧となり,その後,同日21時に北海道の南東海上で温帯低気圧となった。

台風の接近・通過に伴い各地で暴風となり,愛媛県伊方町瀬戸で3日に南南東の風,30m/sの最大風速を観測,最大瞬間風速では2日に宮崎県日南市油津で北の風,41.2m/s,高知県土佐清水市清水で東南東の風,40.3m/sを観測した。また,雨は特に九州,四国地方で多くなり,3日の24時間雨量でも,大分県豊後大野市温見で431ミリ,熊本県八代市大金峰で403ミリ,福岡県添田町英彦山で386ミリと観測史上1位となった。

この台風により,負傷者30名,住家全壊2棟,住家半壊8棟,住家一部破損153棟,床上浸水146棟,床下浸水491棟などの被害が発生したほか,最大33,630名に避難指示・勧告が出された。

土砂災害については,土石流2件,地すべり1件,がけ崩れ9件が発生した。

河川については,山国川水系山国川等3水系4河川ではん濫危険水位(危険水位)を超えたほか,3水系3河川で避難判断水位(特別警戒水位)を,5水系5河川ではん濫注意水位(警戒水位)を超え,各地で浸水被害等が発生した。

ライフライン関係においては,関西・中国・四国・九州電力管内で延べ約224,750戸が停電となったほか,上水道については大分県及び宮崎県で269戸が断水した。電気通信関係では,宮崎県で約100回線の電話が不通となったほか,宮崎県や大分県等で携帯電話基地局18局が停波した。

道路については,大分自動車道,国道220号,県管理道路等77区間で通行規制が行われた。鉄道については,全国各路線で雨量規制等のために運休が発生した。

公共土木施設では,河川526か所,海岸9か所,砂防施設等52か所,道路(橋梁を含む)521か所,港湾5か所,公園1か所に被害が発生した。

農林水産関係では,農地4,182か所,農業用施設1,911か所,林地荒廃120か所,治山施設12か所,林道施設489か所,森林被害19ha,漁港施設等9か所に被害が発生した。

文教施設では,国立学校施設4校,公立学校施設31校,社会教育・体育,文化施設等9施設,文化財等8件で被害が発生した。

社会福祉施設等では,27施設に被害が発生した。

(2)国等の対応状況

適用日を8月2日として,宮崎県が日之影町に対し,災害救助法を適用した。

また,この災害について,平成19年9月14日閣議決定,9月20日公布・施行の「平成十九年八月二日から同月四日までの間の暴風雨による災害についての激甚災害及びこれに対し適用すべき措置の指定に関する政令」により激甚災害として指定し,農地等の災害復旧事業等に係る補助の特別措置等を適用した。

各府省の対応は, 附属資料2 のとおり。


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内閣府政策統括官(防災担当)

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