1−5 台風第14号に対してとった措置



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1−5 台風第14号に対してとった措置

(1)内閣府における対応

内閣府においては,鹿児島県垂水市,錦江町,宮崎県全域,高知県四万十市,山口県岩国市,美川町に被災者生活再建支援法を適用した。

(2)警察庁における対応

警察庁及び関係管区警察局においては,「災害警備連絡室」等を設置して,情報の収集,関係機関との連絡調整及び警察広域緊急援助隊や警察用航空機の派遣調整等に当たった。また,機動警察通信隊は災害発生直後から警察通信の確保に当たり,ヘリコプターテレビシステムや衛星通信システム等を使用して,警察庁,官邸等へ危機管理上重要な現場映像の伝送等を実施した。さらに,宮崎県公安委員会からの援助要求を受けて,9月7日と8日の両日,福岡県警察広域緊急援助隊延べ80名を同県内に派遣し,同隊は救出救助や行方不明者の捜索等に当たった。関係都道府県警察においては,「災害警備本部」等を設置して,情報収集,被災者の避難誘導,救出救助,交通規制等の災害警備活動に当たった。

(3)防衛庁における対応

防衛庁においては,9月6日に防衛庁災害対策連絡室を設置したほか,9月6日に宮崎県知事,鹿児島県知事及び大分県知事から,9月7日に山口県知事及び北海道知事から,9月8日に熊本県知事からそれぞれ災害派遣要請を受け,6日から18日までの間に,孤立住民の救出,行方不明者の捜索,給水支援,道路啓開,土嚢積み,物資輸送等を実施した。

(4)総務省における対応

a 電波利用債権の督促及び催促停止措置
 総務省においては,電波利用債権の督促状及び催促状の送付を停止する措置(原則,適用の日から60日を経過する日までの間)を行った。

b 普通交付税の繰上交付
 総務省においては,多大な被害を受けた山口県内4団体,宮崎県内12団体及び鹿児島県内1団体に対して,地方交付税法第16条第2項の規定に基づき,11月に定例交付すべき普通交付税の一部40億3,600万円を繰上げ交付した。

(5)放送受信料の免除

NHKにおいては,次のとおり放送受信料を免除した。(東京都 760件 2,824,920円,山口県 328件 2,238,518円,鹿児島県 57件 167,092円,宮崎県 3,745件 13,018,862円,高知県 178件 736,334円)

(6)電気通信事業者の対応

NTT西日本においては,被災地(宮崎県,岡山県,山口県,熊本県,鹿児島県)の避難所等に特設公衆電話等を設置するとともに,災害用伝言ダイヤル(171)及び災害用ブロードバンド伝言板(web171)を起動した。また,被災による建物損壊等及び避難指示,避難勧告によって電話が使用できなかった顧客について,その期間の基本料金を免除した。さらに建物損壊で仮住居への移転工事等が生じた場合の工事料金を免除した。

NTTドコモグループ各社においては,宮崎県内の避難所に衛星携帯電話等15台を貸し出し,及び顧客携帯電話充電用に携帯用充電器・発動発電機を設置するとともに,iモード災害用伝言板サービスを起動した。

KDDIにおいては,災害用伝言板サービスの起動,宮崎県内の自治体に対する携帯電話20台の貸出を行った。

(7)消防庁における対応

消防庁においては,9月4日,九州・沖縄の各県に「台風警戒情報」を送付し警戒を要請し,同日18時,災害対策室を設置し,情報収集体制の強化を行った。9月5日7時20分,西日本の関係19府県に「台風警戒情報」を送付し警戒を要請し,同日,16時20分各都道府県に対して緊急消防援助隊等に係る連絡体制等の強化を要請した。9月6日3時9分消防庁から宮崎県に対し,自衛隊の災害派遣要請等適切な対応を依頼し,同日,4時55分に消防庁から宮崎市消防局に対し,救助体制の確保と適切な安全管理を依頼した。

9月7日11時に東日本の関係16道県に対して「台風警戒情報」を送付し警戒を要請した。

また,9月9日消防庁職員1人を宮崎県に派遣した。

(8)財務省における対応

財務省においては,次のとおり税務行政上の措置を講じた。

a 申告,納付期限の延長
 災害により,国税の申告,納付等をその期限までに行うことができないと認められる納税者について,その申請に基づき,災害によるやむを得ない理由のやんだ日から2か月以内の日を期日として指定し,国税の申告,納付等の期限を延長した。

b 納税の猶予
 災害により,その財産に相当の損害を受けた納税者及び国税を一時に納税することができないと認められる納税者について,その申請に基づき,1年以内の期間に限り,その国税の全部又は一部の納税を猶予した。

(9)文部科学省における対応

文部科学省においては,災害情報連絡室を設置し,教育委員会等の関係機関から被害情報を収集するとともに,臨時休校等児童生徒の安全確保のため適切な対応をとるよう指示した。また,台風第14号に関する調査研究に対して,科学研究費補助金を交付した。

(10)厚生労働省における対応

a 国民健康保険に対する措置
 厚生労働省においては,宮崎県高岡町において,国民健康保険料(税)の減額及び免除を実施した(H17.10.18告示)。また,国民健康保険料(税)の減額及び免除に対し,特別調整交付金35,578千円を交付した。

(事業費 44,473千円/国費 35,578千円)

b 災害救助費の国庫負担
 厚生労働省においては,災害救助法に基づき,東京都中野区他1区,山口県岩国市他1町,高知県四万十市,宮崎県宮崎市他12市町村,鹿児島県垂水市において実施した救助に要した費用の一部について負担した。

(事業費 1,879,281千円/国費 1,048,377千円)

c 災害弔慰金等の国庫負担
 厚生労働省においては,災害弔慰金の支給等に関する法律に基づき,本災害により死亡した遺族に対し支給した災害弔慰金等に要した費用の一部について負担した。

(事業費 82,500千円/  国費 41,250千円)

d 災害援護資金の原資の貸付
 厚生労働省においては,災害弔慰金の支給等に関する法律に基づき,本災害により一定の被害を受けた世帯の世帯主に貸し付けた災害援護資金の原資の一部の貸付を行った。

(事業費 405,959千円/国費 270,639千円)

(11)農林水産省における対応

農林水産省においては,被害を受けた農林漁業者等に対する既往資金の償還猶予等及び資金の円滑な融通について関係機関に依頼した。

(12)中小企業対策

中小企業庁においては,被災中小企業者への支援として,次の措置を講じた。

a 特別相談窓口の設置
  宮崎県,山口県,東京都,高知県,鹿児島県における政府系中小企業金融3機関(中小企業金融公庫,国民生活金融公庫,商工組合中央金庫),信用保証協会の各支店,主要商工会議所及び商工会連合会などに特別相談窓口を設置した。

b 資金供給の円滑化
  政府系中小企業金融3機関による災害復旧貸付の適用,信用保証協会の保証の別枠化及び,関係機関に対し返済猶予等の既往債務の条件変更などの被災中小企業者の実情に応じた対応を行うよう指導することにより,被災中小企業者の資金供給の円滑化を図った。

(13)国土交通省における対応

国土交通省においては,警戒体制をとり,被害状況の把握に努めるとともに,現地調査等のために専門家の現地派遣を行った。また,災害対策用ヘリコプターによる上空からの被害状況調査,排水ポンプ車・照明車等の災害対策用車両の派遣による災害応急対策等を実施した。

国土地理院においては,被災地の空中写真撮影を実施し,公表した。

(14)気象庁における対応

気象庁本庁及び各気象台においては,監視体制を強化し,防災関係機関へ気象状況等を提供した。また,各地方気象台においては,防災機関を対象とした台風説明会を開催し,今後の見通しや警戒事項等について解説を行ったほか,警報や気象情報を発表して関係防災機関へ伝達するとともに,報道機関を通じて警戒を呼びかけた。

(15)海上保安庁における対応

海上保安庁においては,石川県七尾市能登島東岸に水産物運搬船の乗揚げ海難が発生したため,巡視船艇,航空機を発動させ乗組員21名全員を救助した。

(16)環境省における対応

環境省においては,地方公共団体が災害のために実施した廃棄物の収集,運搬及び処分に係る事業に対して補助を行った。

(事業費 1,150,230千円/国費 575,115千円)

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