3−3 その他



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3−3 その他

(1)総合的な土砂災害対策の推進

内閣府においては,近年多大の被害を生じている土砂災害の予防及び軽減を図るため,総合的な土砂災害対策の推進を図った。

(国費 17,570千円)

(2)地域コミュニティの力をいかした風水害対策

内閣府においては,近年の風水害による被害原因の分析を行い,風水害において地域コミュニティが果たした役割に着目して事例調査を行うとともに,その防災力を高めるため方策について検討を行った。

(国費 13,650千円)

(3)風水害に対する警戒体制の強化

警察庁においては,管区警察局及び都道府県警察に対し,災害危険箇所の事前把握,災害の発生が予想される場合における警備体制の早期確立及び早期避難誘導の徹底を指示するなど,警戒警備体制の強化を図った。

(4)風水害対策の推進

消防庁においては,災害時要援護者などの迅速な避難体制等の確立,防災知識の普及,災害危険箇所の把握及び周知,初動体制の確立等について,地方公共団体に対し要請・助言を行った。

(5)山地災害防止のための啓発普及活動

農林水産省においては,山地災害の未然防止についての住民への周知徹底及び防災意識の高揚に資することを目的に,山地災害防止キャンペーン(5月20日〜6月30日)を実施した。

(6)国土交通省・林野庁と日本郵政公社の連携による土砂災害・山地災害警戒避難体制の強化

国土交通省・林野庁と日本郵政公社においては,各地の郵便局を窓口として地域住民への土砂災害・山地災害関連情報の提供を行うなどの基本協定(国土交通省・林野庁と日本郵政公社)に基づき,土砂災害・山地災害警戒避難体制の強化を行った。

(7)河川情報の提供の推進

国土交通省においては,災害時における迅速な危機対応が可能となるよう,インターネットや携帯電話を通じて,リアルタイムのレーダ雨量,テレメータ水位・雨量,洪水予報,水防警報などの河川情報を提供した。また,河川の状況などのライブ映像を報道機関に提供を行い,災害時の情報がTV報道を通じて広く提供されるよう努めた。

(8)総合治水対策の実施

国土交通省においては,浸水被害の著しい既成市街地が大部分を占める河川流域等について,治水施設の整備,流域の保水・遊水機能の確保等を行う総合治水対策を推進した。特に,総合治水対策特定河川については,総合治水対策特定河川事業による河川改修の重点的実施,流域の保水・遊水機能の確保等を実施した。また,上記以外の河川においても,浸水実績の公表を推進した。

(9)氾濫域対策の推進

国土交通省においては,上下流バランス等の関係から長期間河川改修の実施が困難な地域において,住宅・宅地等を洪水被害から守るために住宅地の嵩上げや輪中堤等の築堤を実施した。

(10)災害危険区域図等の作成,公表の推進

国土交通省においては,浸水想定区域図,土砂災害危険区域図の作成・公表及び災害が発生した場合の状況を想定して,避難場所その他円滑かつ迅速な避難の確保を図るために必要な事項等を示したハザードマップの作成を支援し,住民の防災意識の高揚と災害への備えの充実を図った。また,水防法に基づく浸水想定区域の指定公表を平成18年3月までに327河川で行った。市町村が主体となって作成する洪水ハザードマップは,平成18年3月までに,全国439市町村において公表された。これらの情報については,ホームページ等で周知を行った。

(11)水防に関する啓発普及活動

国土交通省においては,水防月間において,都道府県,水防管理団体等とともに各種の行事及び活動を実施した。特に,水防団員等に対して水防工法,情報伝達,救援,救護避難等の総合的な訓練を実施した。また,都道府県及び市町村の職員に対し,関係団体と連携の下に水防研修を実施した。

(12)総合的な土砂災害対策の推進

国土交通省においては,「土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律」に基づき,砂防関係基礎調査費補助制度により,土砂災害のおそれのある区域の指定を促進し,既存の諸制度と相まって総合的な土砂災害対策を実施した。このほか,土砂災害予警報システム等の整備,土砂災害ハザードマップ等の作成・公表,表示板設置・ダイレクトメールによる危険箇所の周知,土砂災害110番の設置,砂防ボランティアとの連携した斜面カルテの作成など適切な警戒避難体制の確立に向けた各種施策を推進した。また,土砂災害の被害の軽減を図るため,地方自治体の防災活動や住民の警戒避難行動等を支援することを目的に,気象庁と連携して,土砂災害警戒情報の提供を推進した。

(13)土砂災害防止のための啓発普及活動

国土交通省においては,土砂災害に関する国民の理解と関心を深めるとともに,土砂災害に関する防災知識の普及,警戒避難体制整備の促進等の運動を強力に推進し,土砂災害による人命,財産の被害の防止に資することを目的として,土砂災害防止月間及びがけ崩れ防災週間を実施した。月間中には,土砂災害防止推進の集い(全国大会)を鹿児島県で開催したほか,広報活動の推進,土砂災害防止功労者の表彰,土砂災害に関する絵画・ポスター・作文の募集を行うとともに,各地で講演会,見学会の開催,危険区域の周知・砂防ボランティア等と連携して実施する点検・警戒避難訓練等を実施した。

(14)災害時要援護者関連施設に係る防災対策の推進

平成11年1月に都道府県知事等宛に発出した共同通達(文部省,厚生省,林野庁,建設省,消防庁)を受け,次の対策を行った。

 農林水産省においては,災害時要援護者関連施設に係る農地の保全に係る地すべり危険箇所の周知等,地すべり対策事業等による防災対策を推進した。また,高齢者や障害者等の自力避難が困難な者が入居する災害時要援護者関連施設を保全するため,治山事業を重点的に実施した。

 国土交通省においては,災害時要援護者関連施設を保全対象に含む土砂災害危険箇所を重点的に整備するとともに,災害時要援護者関連施設の施設管理者に対する緊急点検調査結果の通知を推進し,土砂災害危険区域図ハザードマップ等の作成・公表等を支援した。

(15)鉄道施設の落石事故等防止対策

国土交通省においては,落石等の危険箇所等の実態調査を行い,落石事故等防止対策について検討し,鉄道事業者に対して指導を行った。

(16)河川情報基盤整備の推進

国土交通省においては,情報基盤総合整備事業により,洪水,土砂災害等に関する都道府県の各種観測情報の収集・提供体制の整備を推進するとともに,国が管理する防災情報とあわせて,総合的に情報を収集,処理,活用するシステムの整備を行った。

(17)総合的な都市型水害対策の推進

国土交通省においては,平成15年6月に成立した特定都市河川浸水被害対策法に基づき,浸水被害等の著しい都市部の河川の流域において河川管理者,下水道管理者及び地方公共団体が共同で流域水害対策計画を作成し,本計画に基づき,雨水貯留浸透施設の整備などを行うことにより,総合的な都市水害対策を実施した。

(18)国土交通省と気象庁との河川及び気象等に関する情報のリアルタイム交換の整備

国土交通省及び気象庁においては,水防法及び気象業務法に基づき共同で実施する洪水予報業務その他の業務の高度化に資するため,それぞれの保有する河川及び気象等に関する情報のリアルタイム交換を行った。

a 交換する情報の内容

(a)国土交通省が気象庁に提供する情報
 河川水位・流量,地点雨量,レーダーエコー,ダム,堰諸量,積雪,地震情報,洪水予報,水防体制・水防警報,ダム放流通知。

(b)気象庁が国土交通省に提供する情報
 洪水予報,気象注意報・警報,台風や大雨等に関する気象情報,降水短時間予報(含む流域雨量),量的予報,アメダス,レーダーエコー,降水ナウキャスト,季節予報・天候等の状況に関する気象情報,津波注意報・警報,地震・津波に関する情報

b 技術交流の促進
 情報の効果的な使用を促進するため,国土交通省と気象庁は,観測の方法,データの精度等,情報の内容や質に関する基礎資料を相互に交換するとともに,交換情報の利用について技術的な助言を相互に行い,技術交流を促進した。

(19)風水害基礎情報整備

国土交通省国土地理院においては,防災・減災対策及び土地の開発・利用計画等の基礎資料とするため,地形の分類,低地の地盤高等に関する調査を実施し,2万5千分の1土地条件図を作成した。

(国費 98,249千円)

(20)予報,警報その他の情報の発表,伝達

気象庁においては,気象,高潮,洪水に関する予報及び警報を発表するとともに,水防法等に基づき,国土交通大臣が指定する洪水予報指定河川について,国土交通省と共同で洪水予報を発表し,円滑かつ迅速な避難の確保等により災害の防止・軽減に努めた。さらに,都道府県と共同で都道府県が管理する中小河川等を対象として洪水予報を行い,きめ細かい情報の提供を行った。また,地方自治体の防災活動や住民の警戒避難行動等を支援するため,国土交通省と連携して,土砂災害警戒情報に関する伝達の施策の推進に取り組んだ。さらに,観測直後から1時間先までの10分毎の雨量の予測情報(降水ナウキャスト)を提供した。

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内閣府政策統括官(防災担当)

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