3−2 国際防災協力の体制
国際防災協力の体制は,以下の4つに分類される。
① 国連などの国際機関による多国間協力
② アジア地域,アフリカ地域等の地域における協力
③ 二国間協力
④ 非政府組織(NGO)による国際協力
(1) 国際機関,地域機関による多国間協力
多国間防災協力は各種国際機関,地域機関を通じて行われている。その中の代表的な機関は表4−3−1とおりである。
(2) 二国間協力
二国間の防災協力は,各国の政府開発援助として実施される。各国の政府援助機関の代表的なものとして,米国:USAID(米国国際開発庁),ドイツ:GTZ(ドイツ技術協力公社),英国:DFID(国際開発省)などがあり,これらの機関は,開発途上国の経済発展や人道的な支援の一環として,防災への支援も行っている。
また,欧州連合については,欧州委員会人道支援事務局(ECHO)等が域外における武力紛争や自然災害の被災者への緊急支援と救援を行っている。
(3) 非政府組織(NGO)による国際協力
災害の脆弱性を減少させ,地域の防災力を向上させるためには,地域コミュニティが防災活動に参画することが重要である。NGOは,地域コミュニティに対する国際協力の核となっている。
表4−3−2 UN/ISDR関係機関タスクフォースメンバー(NGO)一覧
また,アジアでは,NGOアジア防災・災害救援ネットワーク(ADRRN:Asian Disaster Reduction and Response Network,http://www.adrrn.net/ )により,NGO活動の情報交換,経験の共有等が進められている。これは,アジア防災センターとOCHA神戸事務所が開催した「アジア地域の防災のためのNGOのネットワークと協力に関するワークショップ」(2002年2月,神戸)の機会に設立が合意されたアジア地域におけるNGOのネットワークである。
このネットワークの主要なメンバーは,SEEDS India(インド),Mercy Malaysia(マレーシア),National Society for Earthquake(ネパール),Philippines Rural Reconstruction Movement(フィリピン),Singapore International Foundation(シンガポール),Sarvodaya Shramadana Movement(スリランカ)など(13ヶ国,23機関)である。