4−1 震災対策(8) 中部圏近畿圏における地震対策



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4−1 震災対策

(8) 中部圏,近畿圏における地震対策

a 「東南海,南海地震等に関する専門調査会」における検討
 平成10年に中央防災会議「大都市震災対策専門委員会」よりなされた提言を受けて,中部圏,近畿圏における,東南海・南海地震や大都市直下で発生する地震への防災対策を検討するため,平成13年6月28日に開催された中央防災会議において「東南海,南海地震等に関する専門調査会」の設置が決定された。
 次の東南海,南海地震の発生に向けて,中部圏及び近畿圏を含む広い範囲で地震活動が活発化する可能性が高い活動期に入ったと考えられるとの指摘もあり,実際,過去の事例によると,西日本の内陸では,東南海,南海地震の前後に地震活動が活発化する傾向が見られる(図2−4−50)。このことから,中部圏及び近畿圏の大都市地域においては,内陸直下で発生する大規模な地震に備えるための対策について検討する必要性は極めて高いと考えられ,専門調査会では,これらの地域に影響を与える39の活断層(図2−4−51),及び名古屋市,阪神地域直下の地震を想定して震度分布の予測を行い,平成18年12月に公表した(図2−4−52〜2−4−54)。
 今後,この震度分布の予測に基づき,建物被害や人的被害,ライフラインや交通機関の被害,避難者数,経済被害等の推計を実施するとともに,地震防災対策を検討していくこととしている。

クリックで拡大表示 図2−4−50 西日本の内陸における地震活動

クリックで拡大表示 図2−4−51 検討対象とした活断層

クリックで拡大表示 図2−4−52 上町断層帯の地震(M7.6)

クリックで拡大表示 図2−4−53 猿投—高浜断層帯の地震(M7.6)

クリックで拡大表示 図2−4−54 予防対策用震度分布図

b 京阪神都市圏における広域防災拠点の整備等に関する検討
 都市再生本部による都市再生プロジェクト第一次決定において,京阪神都市圏においても基幹的広域防災拠点の必要性も含め,広域防災拠点の適正配置を検討することとされた。
 これを受け,有識者,関係省庁と関係府県市による「京阪神都市圏広域防災拠点整備検討委員会」を開催し,基幹的広域防災拠点の必要性,広域防災拠点の適正配置等を含めた広域防災ネットワークの形成について検討を進め,平成15年6月,「京阪神都市圏広域防災拠点整備基本構想」を策定した。
 基本構想の概要は以下のとおりである。

  • 大規模災害に対して府県境を越えた広域的な災害対策活動の核となる機能を併せ持つ基幹的広域防災拠点の整備が不可欠。
  • 広域防災拠点及び基幹的広域防災拠点の配置ゾーンを提示(図2−4−55,図2−4−56)。

平成16年3月から,国土交通省近畿地方整備局が事務局となり,関係省庁及び関係府県市等による「京阪神都市圏広域防災拠点整備協議会」を立ち上げ,基幹的広域防災拠点の具体的な整備に向けての検討を行っている。

c 名古屋圏における広域防災ネットワーク整備・連携方策の検討
 稠密な市街地が連たんしている名古屋圏において,広域あるいは甚大な災害が発生した場合,国・地方公共団体等が連携・協力して広域的な災害対策活動を行う必要がある。
 このため,有識者,関係省庁と関係県市等による「名古屋圏広域防災ネットワーク整備・連携方策検討委員会」を開催し,中核的な広域防災拠点の必要性・広域防災拠点の適正配置等を含む広域防災ネットワークの整備・連携に向けた検討を行い,平成16年7月,「名古屋圏広域防災ネットワーク整備基本構想」を策定した。
  基本構想の概要は以下のとおりである。

  • 大規模災害に対して,県境を越えた広域的な災害対策活動を行うための広域防災拠点及び中核的広域防災拠点が必要。
  • 広域防災拠点及び中核的広域防災拠点の配置ゾーンを提示(図2−4−57,図2−4−58)。

今後,中核的広域防災拠点の整備については,整備の実現可能性の観点から基本構想における配置ゾーン周辺の土地利用,面整備事業等の動向等を見据えつつ,具体的整備に向けての検討,関係機関との調整を行うこととしている。

クリックで拡大表示 図2−4−55 京阪神都市圏の広域防災拠点配置ゾーン図

クリックで拡大表示 図2−4−56 京阪神都市圏の基幹的広域防災拠点配置ゾーン図

クリックで拡大表示 図2−4−57 名古屋圏の広域防災拠点配置ゾーン図

クリックで拡大表示 図2−4−58 名古屋圏の中核的広域防災拠点配置ゾーン図


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