3−5 佐呂間町における竜巻



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3−5 佐呂間町における竜巻

(1) 災害の状況

11月7日12時には発達中の低気圧が宗谷海峡付近にあり,その中心から延びる寒冷前線が,北海道の中央部を東進していた。このため,寒冷前線付近では大気の状態が不安定となり,7日13時30分頃活発な雷雲が佐呂間町付近を通過し,突風が発生した。

気象庁の現地調査によると,佐呂間町で発生した突風は,7日13時20分頃から13時30分頃にかけて,南西から北東に向かって進んだ竜巻によるものと判断され,被害地域の形状は,長さ約1.4km,幅100〜300mの細長い帯状であった。また,「住家1軒が原型をとどめず倒壊した」,「非住家(工事事務所)が飛散し瓦礫状態となった」,「他の自動車の上に乗り上げた自動車があり,持ち上げられた可能性がある」などの複数の被害状況を確認したことから,竜巻の強度は藤田スケール(竜巻の強さの指標の一つで最強のF5からF0まである)でF3と推定された。

この竜巻により,死者9名,負傷者31名,住家全壊7棟,住家半壊7棟,住家一部破損25棟の被害が発生した。

ライフライン関係においては,北海道佐呂間町,留辺蘂町で最大時631戸が停電となった。

道路については,国道333号の1区間,留辺蘂浜佐呂間線の2区間で障害物散乱により通行規制が行われた。

(2) 国等の対応状況

11月7日18時30分に内閣府において災害対策関係省庁連絡会議を開催し,被害状況や各省庁の対応状況についての情報を共有するとともに,今後の対応を確認した。

また,同日,溝手防災担当大臣を団長とする政府調査団を北海道へ派遣した。

11月9日17時30分に内閣府において北海道佐呂間町における竜巻災害の復旧に関する関係省庁連絡会議を開催し,関係行政機関が一体となって速やかな復旧及び復興を支援するため,「北海道佐呂間町における竜巻災害に係る復旧相談室」設置の申し合わせを行い,同日,内閣府に復旧相談室を設置した。

適用日を11月7日として,北海道が佐呂間町に対し,災害救助法を適用した。

また,適用日を11月7日として,北海道が佐呂間町に対し,被災者生活再建支援法に基づく被災者生活再建支援金支給制度を適用した。

各府省の対応は,次のとおりである。

内閣官房は,11月7日14時30分,情報連絡室を設置した。

内閣府は,11月7日14時30分,情報対策室を設置し,関係機関から情報収集を行うとともに,官邸,関係省庁との情報連絡を行った。

警察庁は,11月7日14時,災害警備連絡室を設置し,関連情報の収集,関係機関との連絡調整を行った。また,機動警察通信隊は,災害警備活動に必要な警察通信の確保に当たった。

消防庁は,11月7日14時30分,災害対策室を設置し,関係機関との連絡調整を行った。

防衛庁は,11月7日14時30分,災害対策連絡室を設置した。また,北海道知事からの災害派遣要請を受け,11月7日から11月11日までに人員約400名,車両約80両により,物資(毛布)の貸付及び倒壊家屋等の撤去を行った。

金融庁は,北見銀行協会等に対し,貸出金の返済猶予等災害被災者の便宜を考慮した適宜的確な措置を講ずることを要請した。

総務省は,11月7日16時17分,省内の情報収集体制を整備した。

文部科学省は,11月7日15時30分,災害情報連絡室を設置し,教育委員会等の関係機関から被害情報を収集するとともに,適切な対応をとるよう指示した。

厚生労働省は,11月7日15時46分,省内の連絡体制を整備した。

農林水産省は,11月7日17時45分,省内連絡会議を設置した。

経済産業省は,11月7日16時40分,防災連絡会議を設置した。

資源エネルギー庁は,災害救助法適用地域において被災した需要家に対して,電気料金の支払期限の延長等の災害特別措置を認可した。

中小企業庁は,北海道内の政府系中小企業金融機関,信用保証協会,主要商工会議所,商工会連合会,中小企業基盤整備機構及び北海道経済産業局に対し,災害に係る特別相談窓口設置を指示するとともに,政府系中小企業金融機関に災害復旧貸付の適用,政府系中小企業金融機関及び信用保証協会に既往債務の返済条件緩和等に関する企業の実情に応じた対応を指示した。

国土交通省は,11月7日14時30分,佐呂間町突風災害対策本部を設置し,ヘリコプターの活用等による情報収集を実施するとともに,照明車8台,衛星通信車1台等を北海道佐呂間町に派遣した。

国土地理院は,11月7日14時30分,災害対策会議を設置した。

気象庁は,佐呂間町に突風機動調査班を派遣して現地調査を実施した。


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