１−1　最近起こった大きな災害

　2003年以降に発生した主な自然災害は 表４−１−１ のとおりであり，そのうち被害の大きなものは次のとおりである。

　２月24日午前10時03分（日本時間24日午前11時03分），中国新疆ウイグル自治区カシュガル地区伽師巴楚県付近において，モーメント・マグニチュード6.3（USGSによる）の地震が発生した。被災状況は，２月26日現在，死者268人，重傷者2,058人，軽傷者2,000人余り，家屋倒壊７万戸，被災民65万人となっている。

　５月17日から18日にかけて，スリランカ南西部の広範囲にわたり，モンスーン性の集中豪雨による地滑りと洪水氾濫が発生した。これにより，22日までに，死者が少なくとも235人，被災者が総数約14万世帯，その他，家屋の全半壊，農作物への被害，インフラ網の遮断等の甚大な人的および物的被害が発生した。これは，同国建国以来最大規模の災害となった。

　５月21日午後７時44分（日本時間22日午前３時44分），アルジェリアの首都アルジェ東方ブメルデス県を震源に，モーメント・マグニチュード6.7（USGSによる）の地震が発生し，死者2,266人，負傷者１万人以上，その他，家屋等に甚大な被害が発生した。

　7月下旬よりパキスタン南部シンド州全域（インダス川下流域）で集中豪雨による洪水災害が発生した。これにより，死者が少なくとも230人，被災者が約126万人以上，その他，家屋の全半壊，農作物や家畜への被害，電話網の遮断等の甚大な人的および物的被害が発生した。

　９月11日から13日にかけて韓国南部を中心に，台風第14号（アジア統一名：Maemi）により避難民約１万2,000人，死者117人，行方不明者13人，被害総額が41億ドル以上にのぼる甚大な被害が発生した。

　フィリピンでは，中部レイテ島や南部ミンダナオ島を中心に12月15日から降り続いた豪雨により，地滑り・鉄砲水が発生し，被災者約34万人，死者207人以上にのぼる甚大な被害が発生した。

　12月26日午前５時26分（日本時間26日午前10時56分）に，イラン南東部に位置するケルマン州バムでモーメント・マグニチュード6.5（USGSによる）の大規模な地震が発生した。これにより，３万人以上が死亡，負傷者が2万人に及んでいる他，家屋の全半壊，農作物や家畜への被害，電話網の遮断等，甚大な人的および物的被害が発生した。また，バム城塞跡などの歴史的遺構も壊滅的な被害を受けた。

　平成16年２月24日午前2時27分（日本時間24日午前11時27分）に，モロッコの首都ラバトの東北東約300kmに位置するアルホセイマ市近郊を震源に，モーメント・マグニチュード6.4(USGSによる）の地震が発生した。この地震により，死者564名，負傷者約300名の被害が発生した。