1. 強振動の評価のための試算


 
1. 強振動の評価のための試算
 
4.強振動試算の結果
 

 線形の場合の強震動の試算の距離減衰を、図8、9に示す。最大加速度の距離減衰は、震源近傍を除き、経験式に比べやや大きいものの、ほぼ妥当な傾向を示していると思われる。また、最大速度の距離減衰についても、震源近傍を除き、妥当と考えられる。

非線形の場合の強震動の試算の例を、図10に示す。震源近傍の強震動の振幅については、経験式にほぼ適正に補正できた。しかし、震源から離れた地点の強震動については、小さくなりすぎている。図11に、等価線形と非線形のそれぞれについて、線形の場合の最大加速度、最大速度及び計測震度がどのように変化したかの傾向を示す比較図を示す。これらから、等価線形及び非線形による強震動の計算は、大きくなりすぎたり、逆に小さくなりすぎたりする補正が加わっている。即ち、実際には地盤が悪く揺れが大きくなる地点が、非線形を適用すると、その場所はあまり揺れない場所となってしまい、現実とは合わない結果となる。

 今後、非線形の適用にあたっての実際の観測波形と地盤定数の関係等についての調査・調整を行い、安政東海地震の東側部分の震度分布との整合性をとった上で、想定東海地震による強震動分布の全体評価を行うこととする。

   
   
 
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