1. 強振動の評価のための試算


 
1. 強振動の評価のための試算
 
 想定東海地震の震源領域、断層パラメータ等についてのこれまでの検討を踏まえ(図1参照)、各アスペリティの地震モーメント、変位量及び応力降下量についての2つのモデル、浅部地盤の非線形応答の検討等を行い、最大加速度及び最大速度の距離減衰及び、1854年安政東海地震の震度分布(図2参照)の東側部分の震度との評価を行うため、強震動の試算を行う。
 
1.各アスペリティの地震モーメント、変位量及び応力降下量
   強震動においてはアスペリティの影響が大きいことから、ミクロ的に見た断層パラメータである各アスペリティの地震モーメント(Moai)、変位量(Dai)及び応力効果量(⊿σai)について、次の2つのモデルを考え試算する。
なお、これ以外の断層パラメータ等は、前回設定のもとの同一とし、試算する破壊開始点は、セグメント2の深い所の西側(破壊開始点①)とした。
   
   
(1) 変位量一定モデル
・各アスペリティの地震モーメントは、各アスペリティでの変位量を一定として、アスペリティの面積で振り分ける。

   Moai=Moa×Sai/ΣSai
Moai:i番目のアスペリティのモーメント
Sai :i番目のアスペリティの面積

・各アスペリティの応力降下量は、次の地震モーメントとアスペリティ面積との関係式から算出する。
  ⊿σai=2.5Mai/Sai3/2
⊿σai:i番目のアスペリティの応力降下量

・各アスペリティの変位量は、アスペリティ内のプレート間のカップリングレイトを1と仮定し、約150年間に相当するプレートの沈み込み量「5.25m」とした(プレートの沈み込む速度≒3.5cm/yr)。

(2) 応力降下量一定モデル
・各アスペリティの地震モーメントは、各アスペリティでの応力降下量を一定として、アスペリティの面積の3/2乗の重みで振り分ける。
  Moai=Moa×Sai3/2/ΣSai3/2
Moai:i番目のアスペリティのモーメント
Sai :i番目のアスペリティの面積

・各アスペリティの応力降下量は、次の地震モーメントとアスペリティ面積との関係式から算出する。
  ⊿σai=2.5Mai/Sai3/2
⊿σai:i番目のアスペリティの応力降下量

・各アスペリティでの変位量は、次の地震モーメントとアスペリティ面積との関係式から算出する。
  Moai=μDaiSai
Dai:i番目のアスペリティの変位量
 剛性率μは次式から求める。
μ=ρVs2 (密度ρ=2.8g/cm3,S波速度Vs=3.82km/S)

 
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