1. 想定東海地震の断層パラメータ等について


 
1. 想定東海地震の断層パラメータ等について
 
 強震動及び津波の予測を行うには、想定東海地震の震源域に対応した断層パラメータ等の設定が必要であり、また、津波の予測を行うには、想定震源域から海底近くに達する浅部断層をどのようにするかが重要となる。 なお、今後、設定された断層パラメータ等により強震動や津波の試算を行い、過去の地震時の被害実態との検討等も踏まえ、必要なフィードバックを行い、最終的な想定震源域及び断層パラメータ等を確定するものとする。
 
1. マクロ的にみた断層パラメータ等について
   
(1) 地震モーメント及びマグニチュード
 地震モーメント(Mo)は、次の震源断層の総面積(S)と平均応力降下量(⊿σ)に関する相似則により推定する。応力降下量は、海域の地震で得られる平均的な値、3.0MPaとする。
   
  なお、マグニチュード(モーメントマグニチュード:Mw)は、次式に従い算出する。
   logMo=1.5Mw+9.1
(2) 平均変位量
 平均変位量(D)は、次の地震モーメントと震源断層の総面積との関係式から算出する。
   Mo=μDS
ここで、μは剛性率で次式から求める。
   
ρは密度でとし、VsはS波速度で3.82km/sとする。
(3) 破壊伝播速度およびFmax
・破壊伝播速度は次による。
  Vr=0.72Vs
・Fmaxは兵庫県南部地震から推定された値、6Hzとする。
(4)
想定震源域のセグメント分け
 想定震源域内を単一の領域ではなく、スラブの形状や地質構造の観点から、3つの領域(セグメント)に分割する。
1) 御前崎付近の境界の設定
 フィリピン海プレートの形状は、御前崎付近をとおる北西—南東走向の線を境界として大きく変化している。 この境界候補は、御前崎海脚〜牧ノ原台地よりも南の領域を区分するものである。 この境界で分けられる西側を、セグメント1と呼ぶ。
2) 日本平付近の境界の設定
 北石花海海堆〜日本平をとおる北西—南東走向の境界候補は、御前崎と日本平の間の領域と、富士川河口断層帯につながるほぼ南北方向の逆断層の領域を区分するものである。 この境界で分けられる西側を、セグメント2、東側をセグメント3と呼ぶ。
 
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