○ 統計的グリーン関数法の概要


○ 統計的グリーン関数法の概要
 
1) 対象とする断層面を小断層に分割し、各小断層毎に、Boore(1983)の手法によりω-2則を満たす振幅スペクトルの形状を求める。このスペクトル形状は以下の通りである。
  (1)
 なお、Moは地震モーメント、ρは密度、βは媒質のS波地震波速度である。
 
2) (1)式中のRφθはラディェーション係数であるが、これは、各小断層から計算地点への方位角、射出角により計算する。この時、Kamae and Irikura(1992)と同様に、周波数依存型の放射特性を導入する。
 また、ここではS波のみを考えているため、SH波、SV波毎に振幅スペクトルを求める。
 
3) 小断層毎にすべり量が異なる場合ほ、それに応じて各小断層のMo,Δσを設定する。
 
4) Q値は震源から計算地点までの伝播を考慮して評価する。
 
5) 以上は、振幅スペクトルについてのみ考えてきたが、ここで、Boore(1983)に従ってホワイトノイズに包絡形を施した波形のスペクトルをかけ合わせ、位相を与える。
 
6) 上記手法で作成した計算地点での地震基盤におけるスペクトルに対して、工学的基盤までの地盤構造による増幅を考慮するため、SH波については斜め入射のSH波動場を、SV波については、P−SV波動場の応答計算をHaskell Matrix(線形)で行う。
 
7) 求められた、工学的基盤でのTransverse,Radial,UDの波形をNS,EW,UDに射影する。
 
8) 各小断層からの波形をIrikura(1986)および入倉他(1997)に従って、それぞれの成分毎に足しあわせる。これにより、工学的基盤での3成分波形を求める。なお、以上の作業は周波数領域で行う。
 
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