南関東地域震災応急対策活動要領
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第3章 緊急輸送のための交通の確保・緊急輸送活動
第1 交通の確保・緊急輸送活動の基本方針
大規模地震発生時における緊急輸送及び交通の確保(本章において緊急輸送のための交通の確保をいう。)は、人員、傷病者の輸送、緊急物資の供給等のため必要不可欠な活動であり、様々な災害応急対策の基礎となる極めて重要な活動である。
国は、次の基本方針に基づいて効果的な交通の確保・緊急輸送活動を行うものとする。
(1) 交通の確保
広域的な交通の確保を行うため、被害の状況、復旧優先度等を考慮して障害物除去、応急復旧、交通規制等を行う。
(2) 緊急輸送活動
大規模地震発生時には、短期間に大量の人員、傷病者及び物資を輸送する必要があることに加えて、限られた輸送手段を用いての効率的な輸送が要請されるので、緊急度、重要度を考慮した輸送活動を行う。
第2 交通の確保対策
1 交通の確保に関する役割分担
交通の確保については、法令等に基づき責任を有する機関が速やかな障害物除去、応急復旧、交通規制等を行うことが基本であり、国の各機関、地方公共団体を通じての役割分担はおおむね次のとおりである。
(1) 国の役割
国は、所管施設の応急復旧等を行うとともに、必要に応じて被災地方公共団体等が行う応急復旧等を支援する。
ア 緊急災害対策本部
(ア)
緊急輸送ネットワーク確保計画の作成
(イ)
交通の確保に関する総合調整
(ウ)
警察庁、防衛庁、農林水産省、運輸省、海上保安庁、建設省及び消防庁(以下「輸送施設関係省庁」という。)に対する応急復旧等の依頼
イ 警察庁
道路交通規制に関する指導調整
ウ 運輸省
(ア)
開発保全航路等における軽微な障害物の除去等
(イ)
直轄施工に係る耐震岸壁の応急復旧等
(ウ)
空港施設等の応急復旧等
(エ)
航空管制
エ 海上保安庁
(ア)
航路障害物の除去についての必要な措置等
(イ)
航路標識の応急復旧等
(ウ)
船舶交通の整理等
オ 建設省
道路の応急復旧等
(2) 被災地方公共団体の役割
所管施設の応急復旧等
2 交通の確保体制
交通の確保体制はおおむね次のとおりとする。
(1) 緊急災害対策本部の活動
ア 緊急輸送ネットワーク確保計画の作成
避難者の動向、負傷者等の発生、緊急輸送活動の状況等の応急対策活動全般を考慮して必要と認められる場合には、輸送施設関係省庁と協力の上、輸送施設関係省庁等の各施設の復旧計画等を基本として、被災都県外と被災都県との間の緊急輸送活動のために優先的に機能確保すべき輸送施設(道路、港湾、飛行場等)及び輸送拠点(トラックターミナル、卸売市場等)について調整を行い、緊急輸送ネットワーク確保計画を作成する。
また、被災地方公共団体が、当該地方公共団体内の緊急輸送ネットワークの確保を十分に出来ない場合には、必要に応じて、当該地方公共団体と連携をとりながら、必要な輸送施設及び輸送拠点について調整を行い、当該計画の作成を行う。
なお、緊急輸送ネットワーク確保計画作成に当たっては、被災都県の地域防災計画に定める緊急輸送施設等を基礎とする。
イ 交通の確保に関する総合調整
必要に応じ、又は、警察庁等からの要請に基づき、他の機関への応援依頼等総合調整を行う。
ウ 輸送施設関係省庁に対する依頼
緊急輸送ネットワーク確保計画を輸送施設関係省庁に対して示し、速やかな障害物除去、応急復旧、交通規制等の実施を依頼する。
(2) 輸送施設別の確保体制
ア 道路の応急復旧等
(ア)
建設省は、管理する国道の障害物の除去、応急復旧等を行うとともに、被災都県等他の道路管理者に対して被害状況に関する報告を求め、応急復旧等を要請又は指示する。その場合、緊急輸送ルートの確保を最優先に応急復旧等を実施するよう配慮する。
(イ)
建設省は、道路の被害状況及び復旧状況等について緊急災害対策本部等に報告するとともに、緊急災害対策本部の依頼に基づき、緊急輸送ネットワークを確保するために必要な措置をとる。
(ウ)
道路管理者は、その管理する道路について効果的な障害物の除去、応急復旧等を行い、道路機能の確保を行う。
(エ)
路上の障害物の除去について、道路管理者、警察機関、消防機関、防衛庁等は状況に応じて協力して必要な措置をとる。
(オ)
道路管理者は、建設業者との間に災害時の応援協定を結んでおく等、障害物の除去、応急復旧等に必要な人員、資機材等の確保に努める。
(カ)
道路管理者は、除去する障害物の処分スペースについて関係機関と協力して必要な措置をとる。
イ 道路交通規制
(ア)
国家公安委員会は、都県公安委員会等に対し、必要に応じて、広域的な見地から指示を行う。
(イ)
警察庁は、都県警察が行う交通規制について、広域的な見地から調整を行うとともに、緊急輸送ネットワークが十分に機能するために適切な措置をとるよう、都県警察に対して必要に応じて指導を行う。
(ウ)
都県警察は、緊急輸送を確保するため、直ちに、一般車両の通行を禁止するなどの交通規制を行う。この場合において、被災地への流入車両等を抑制する必要がある場合には、被災地域周辺の都県警察の協力により、周辺地域を含めた広域的な交通規制を実施する。また、必要に応じて、警備業者等との応援協定等に基づき、交通誘導の実施等を要請する。
(エ)
都県警察は、交通規制が実施されたときは、直ちに住民等に周知徹底を図る。
(オ)
都県警察は、緊急通行車両の円滑な通行を確保するため、必要に応じ放置車両の撤去、警察車両による先導等を行うほか、運転者等に対し措置命令等を行う。
(カ)
災害派遣を命ぜられた部隊等の自衛官又は消防吏員は、警察官がその場にいない場合に限り、緊急通行車両の円滑な通行を確保するため、必要に応じ上記(オ)に定める措置を行う。
(キ)
交通規制に当たって、警察機関、道路管理者及び緊急災害対策本部は相互に密接な連絡をとるものとする。
ウ 航路の障害物除去等
(ア)
運輸省は、開発保全航路について、沈船、漂流物等により船舶の航行が危険と認められる場合には、緊急災害対策本部に情報を通報するとともに、可能な限りの障害物除去等を行う。
(イ)
運輸省は、緊急災害対策本部の依頼を受け、緊急輸送ネットワークを確保するために必要な措置をとる。
(ウ)
港湾管理者及び漁港管理者は、その所管する港湾区域及び漁港区域内の航路について、沈船、漂流物等により船舶の航行が危険と認められる場合には、緊急災害対策本部に情報を通報するとともに、可能な限りの障害物除去等を行う。
(エ)
海上保安庁は、海難船舶又は漂流物その他の物件により船舶交通の危険が生じ又は生ずるおそれがあるときは、その旨を緊急災害対策本部に通報し、速やかに航行警報等必要な応急措置を講ずるとともに、船舶所有者等に対し、これらの除去その他船舶交通の危険を防止するための措置を講ずべきことを命じ、又は勧告する。
エ 港湾及び漁港の応急復旧等
(ア)
運輸省は、直轄施工に係る耐震岸壁の応急復旧等を行うとともに、港湾管理者に対して被害状況の報告を求め、応急復旧等を要請する。
(イ)
運輸省は、緊急災害対策本部の依頼に基づき、緊急輸送ネットワークを確保するために必要な措置をとる。
(ウ)
港湾管理者は、直轄施工に係る耐震岸壁以外の港湾施設の応急復旧等を行う。
(エ)
漁港管理者は、漁港施設の応急復旧等を行うとともに、農林水産省に対し被害状況を報告する。
(オ)
運輸省及び農林水産省は、港湾及び漁港の被害状況及び復旧状況について緊急災害対策本部等に報告する。
(カ)
海上保安庁は、航路標識が破損し又は流出したときは、速やかに復旧に努めるほか、必要に応じて応急標識の設置に努める。
オ 海上交通の整理等
(ア)
海上保安庁は、船舶のふくそうが予想される海域において、必要に応じて船舶交通の整理・指導を行う。この場合、緊急輸送を行う船舶が円滑に航行できるよう努める。
(イ)
海上保安庁は、海難の発生その他の事情により船舶交通の危険が生ずるおそれがあるときは、必要に応じて船舶交通を制限し又は禁止する。
(ウ)
海上保安庁は、水路の水深に異常を生じたと認められるときは、必要に応じて検測を行うとともに応急標識を設置する等により水路の安全を確保する。
カ 飛行場等の応急復旧等
(ア)
運輸省は、その管理する空港施設等の被害状況について早急に把握し、緊急災害対策本部等に報告し応急復旧等を行うとともに、空港管理者に対して応急復旧等を要請する。
(イ)
運輸省は、緊急災害対策本部の依頼に基づき、緊急輸送ネットワークを確保するために必要な措置をとる。
(ウ)
空港管理者は、その管理する空港施設等の被害状況について運輸省に報告し応急復旧等を行う。
(エ)
運輸省、空港管理者及び緊急災害対策本部は、相互の連絡を密にして効果的な応急復旧等を行う。
(オ)
地方公共団体は、あらかじめ指定した候補地の中から臨時ヘリポートの開設等を行う。
キ 航空管制
(ア)
運輸省は、災害時に即応した航空管制を行う。
(イ)
航空管制に当たっては、情報収集、緊急輸送等の災害応急対策に従事する航空機を優先させ、一般航空機の運行、着陸については極力制限するものとする。
ク 鉄道交通の確保
(ア)
運輸省は、鉄道の被害状況について早急に把握し、緊急災害対策本部等に報告するとともに、鉄道事業者に対して応急復旧等を要請する。
(イ)
鉄道事業者は、その管理する鉄道施設の被害状況について早急に把握し運輸省に報告するとともに、応急復旧等を行う。
(3) 輸送拠点の確保体制
ア 輸送拠点の確保
被災都県は、以下に定めるところにより必要な輸送拠点の確保を行う。指定行政機関及び指定公共機関は、自ら所管する施設等に関して、被災都県が行う活動に対して必要な支援を行う。
(ア)
発災後、輸送拠点の被害状況について調査する。
(イ)
被害状況を勘案の上、人員、資機材を派遣する等して輸送拠点を速やかに開設する。
(ウ)
通信機器等の輸送拠点に不可欠な機材については、あらかじめ当該候補地に備蓄しておくよう努める。
(エ)
緊急輸送に当たる車両、船舶、航空機等が円滑に運行できるように、避難者の誘導、交通整理、ヘリコプターの離着陸場の安全確保等を行う。
イ 輸送拠点の選定の配慮事項
(ア)
輸送拠点の選定に当たっては、面積や設備、本来の利用目的、人員の配置、車両や航空機の乗り入れ可能性及び港湾においては船舶の着岸可能性並びに傷病者、物資の集積可能量等を勘案する。
(イ)
選定時の混乱を避けるため、関係機関は、民間等の協力も得ながら、輸送拠点として適切な施設等をあらかじめ抽出し、施設に備蓄している資機材等や被災者のための避難地等との関係を含め整理しておく。
(ウ)
輸送拠点の開設、運営が円滑に行われるようにするため、輸送拠点として指定されている施設の管理者との間に、災害時の利用に関する協定を結んでおくものとする。
ウ 広域輸送拠点
輸送活動を円滑に行うために、被災都県外と被災都県との間の輸送と被災都県内の輸送の中継地点としての機能を果たす広域輸送拠点を適切に機能させることが重要であり、平常時から開設の方法や各機関の役割分担について検討する必要がある。
エ 広域輸送拠点以外の輸送拠点
輸送拠点については、ウによる広域輸送拠点のほか、災害拠点病院に隣接しており傷病者の搬送に有効な拠点であるなどの属性を平常時から明らかにし関係機関で情報を共有するなどして、効率的な輸送活動が行えるよう配慮する。
オ 被災地外の輸送拠点
指定行政機関、指定公共機関及び非被災道府県は、被災都県外と被災都県との間の輸送を円滑に行うために、被災地内へ輸送する人員、物資等及び被災地内から搬送されてくる傷病者等を一時的に集積し、中継するための輸送拠点を被災地外の必要な地点に開設する。
第3 緊急輸送活動
1 緊急輸送活動の役割分担
国の各機関、地方公共団体は、陸・海・空のあらゆる必要な手段を利用して総合的・積極的に緊急輸送活動を実施する。災害応急対策活動の中心である緊急輸送活動が円滑に行われるようにするため、国の各機関、地方公共団体を通じての役割分担はおおむね次のとおりである。
(1) 国の役割
緊急災害対策本部が総合調整を行う国の輸送活動は、被災都県外と被災都県との間の輸送を原則とする。この場合、地方公共団体に引渡す予定の物資を、広域輸送拠点まで輸送する。
また、被災地方公共団体が、当該地方公共団体の区域内の緊急輸送活動を十分に実施できない場合は、必要に応じて、当該地方公共団体と連携をとりながら、当該活動を行う。
ア 緊急災害対策本部
(ア)
緊急輸送計画の作成
(イ)
防衛庁、運輸省、海上保安庁、消防庁及び警察庁(以下「緊急輸送関係省庁」という。)に対する緊急輸送の依頼
イ 運輸省
陸上運送事業者、海上運送事業者及び航空輸送事業者の団体等に対する緊急輸送の要請
ウ 防衛庁
保有する船舶、航空機、車両等を用いての緊急輸送の実施
エ 海上保安庁
保有する船舶、航空機を用いての緊急輸送活動の実施
オ 消防庁
消防機関に対する緊急輸送の要請
(2) 被災地方公共団体の役割
主として当該地方公共団体の区域内の緊急輸送活動の実施
2 緊急輸送活動体制
緊急輸送活動体制はおおむね次のとおりとする。
(1) 緊急災害対策本部の活動等
ア 被災都県等からの要請
被災都県及び各省庁は、広域的な緊急輸送活動を自ら行うことができない場合には、輸送すべき物資等の品目及び数量、人員及び傷病者の数、緊急輸送を必要とする理由その他の必要な事項を示し、緊急輸送関係省庁に対して緊急輸送活動の実施を要請することができる。
ただし、被災都県及び各省庁は特別の必要があると認める場合には、緊急災害対策本部を通じて緊急輸送関係省庁に対して上記の要請をすることができる。
イ 緊急輸送計画の作成
緊急災害対策本部は、上記アのただし書の要請があった場合には、緊急輸送ネットワークの確保状況、輸送手段の使用可能性等を考慮し、緊急輸送関係省庁と協力の上、緊急輸送する人員、傷病者の数又は物資の品目及び数量、輸送の出発地及び目的地、利用する輸送手段等を組合せた緊急輸送計画を作成する。
なお、緊急輸送計画は、事態の推移に応じて随時作成する。
ウ 緊急輸送関係省庁に対する依頼等
緊急災害対策本部は、緊急輸送計画を緊急輸送関係省庁に提示し、これに基づく輸送活動を行うよう依頼するとともに、要請元である各省庁に対して又は指定行政機関を通じて要請元である被災都県に対して当該緊急輸送計画の内容を連絡する。
(2) 輸送手段別の緊急輸送体制
緊急輸送計画に基づく輸送活動を行うに際しての輸送手段ごとの緊急輸送体制は、次のとおりである。
ア 航空輸送
(ア)
防衛庁は、緊急災害対策本部からの依頼を受け、自ら保有する航空機を出動させる。
なお、防衛庁保有の航空機については、都県からの要請に基づき出動する必要もあるので、あらかじめ国としての活動(主として広域的な活動)に従事させるべき航空機と災害派遣の一環として運用すべき航空機を予定しておくものとする。
(イ)
運輸省は、緊急災害対策本部からの依頼を受け、航空運送事業者等に対して緊急輸送の要請を行う。
(ウ)
消防庁は、緊急災害対策本部からの依頼を受け、消防機関に対して緊急輸送の要請を行う。
(エ)
海上保安庁は、緊急災害対策本部からの依頼を受け、自ら保有する航空機を用いて緊急輸送活動を行う。
イ 道路輸送
(ア)
防衛庁は、緊急災害対策本部の依頼を受け、自ら保有する車両を用いて緊急輸送活動を実施する。
(イ)
運輸省は、緊急災害対策本部の依頼を受け、道路運送事業者等に対して緊急輸送の要請を行う。
(ウ)
消防庁は、緊急災害対策本部からの依頼を受け、消防機関に対して緊急輸送の要請を行う。
ウ 海上輸送
(ア)
防衛庁は、緊急災害対策本部の依頼を受け、自ら保有する船舶を用いて緊急輸送活動を実施する。
(イ)
運輸省は、緊急災害対策本部の依頼を受け、海上運送事業者等に対して緊急輸送の要請を行う。
(ウ)
海上保安庁は、緊急災害対策本部の依頼を受け、自ら保有する船舶を用いて緊急輸送活動を行う。
(エ)
消防庁は、緊急災害対策本部からの依頼を受け、消防機関に対して緊急輸送の要請を行う。
エ 鉄道輸送
(ア)
運輸省は、緊急災害対策本部の依頼を受け、鉄道事業者に対して緊急輸送の要請を行う。
(イ)
鉄道については、人員の輸送等鉄道の特性を生かした輸送に活用するものとする。
(3) 輸送物資等の引渡し方法
緊急輸送計画に基づき輸送される物資の引渡し方法の細目については、別に定めるところによる。
(4) 運用命令等
運送事業者が行う緊急輸送は、運輸省からの要請に基づき事業者の協力を得て実施することを原則とするが、特に必要と認めるときは、次の措置を講ずるものとする。
ア 道路輸送関係
地方運輸局長の一般自動車運送事業者に対する運送命令(道路運送法)
イ 海上輸送関係
(ア)
運輸大臣の船舶運送事業者に対する航海命令(海上運送法)
(イ)
運輸大臣の港湾運送事業者に対する公益命令(港湾運送事業法)
ウ 道路、鉄道及び海上輸送関係
運輸大臣の応援命令に基づく都道府県知事の要求を受けて行われる地方運輸局長の輸送関係者に対する従事命令(災害救助法)
(5) 輸送費用の支払
緊急輸送に要する経費の負担関係については、原則として次によるものとする。
ア 国が保有する輸送手段を用いて行う緊急輸送
国が行う緊急輸送に要する費用については、当該緊急輸送を行う各機関において負担する。
イ 要請により運送事業者が行う緊急輸送
緊急輸送計画に基づき、運輸省からの要請により運送事業者が行う緊急輸送に要する経費については、当該緊急輸送を必要とした被災都県又は各省庁が支払うものとする。
なお、道路運送法等の法令に基づく運送命令等による輸送に係る損失補償については、各法令の定めるところによる。
(6) 燃料の確保
ア
被災都県又は各省庁は、発災時において緊急輸送活動に必要な燃料を調達することが困難な場合には、緊急災害対策本部を経由して資源エネルギー庁に対して調達要請を行うものとする。
イ
資源エネルギー庁は、要請を受け、関係団体を通じて燃料の調達を行うとともに、平常時から燃料の災害時の調達体制の整備を図るものとする。
ウ
緊急輸送を行う関係機関は、各々輸送活動に必要な燃料の災害時の調達体制の整備を図るものとする。
3 緊急輸送活動実施上の配慮事項
緊急災害対策本部は、次のような輸送の優先順位及び輸送対象の事態想定に配慮しつつ、この活動要領に従って緊急輸送活動の総合調整を行うものとする。
(1) 輸送の優先順位
輸送活動を行うに当たっては、次のような事項に留意して行う。
ア
人命の安全
イ
被害の拡大防止
ウ
災害応急対策の円滑な実施
(2) 輸送対象の想定
ア 第1段階(被災直後〜2日)〔避難期〕
(ア)
救助・救急活動、医療活動の従事者、医薬品等人命救助に要する人員、物資の輸送
(イ)
消防、水防活動等災害の拡大防止のための人員、物資の輸送
(ウ)
政府災害対策要員、地方公共団体災害対策要員、情報通信、電力、ガス、水道施設保安要員等初動の応急対策に必要な要員・物資等の輸送
(エ)
後方医療機関へ搬送する傷病者等の搬送
(オ)
緊急輸送に必要な輸送施設、輸送拠点の応急復旧、交通規制等に必要な人員及び物資の輸送
イ 第2段階(3日〜1週間)〔輸送機能確保期〕
(ア)
上記アの続行
(イ)
食料、水等生命の維持に必要な物資の輸送
(ウ)
傷病者及び被災者の被災地外への輸送
(エ)
輸送施設の応急復旧等に必要な人員及び物資の輸送
ウ 第3段階(発災後1週間目以降)〔応急復旧期〕
(ア)
上記イの続行
(イ)
災害復旧に必要な人員及び物資の輸送
(ウ)
生活必需品の輸送
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1998.6.23 中央防災会議(事務局内担当:国土庁防災局震災対策課:E-mail:edcplan@nla.go.jp )