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※「国土庁防災局」は、2001年より、「内閣府(防災部門)」になりました。
連邦緊急事態管理庁(FEMA)・海岸建設マニュアルについて
 

組織と内容
 マニュアルはその分量のため、3巻に分かれ、14章と附録からなっている。図1に示された章に加え、第1巻には第1から第4章が含まれる。その内容は以下のとおり:

第1章—序論
第2章—歴史的展望
第3章—沿岸部の環境
第4章—基本

 さらに、第3巻は第1巻と2巻で言及された附録が記載されている。

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本マニュアルの使用
 本マニュアルの第3章で議論されているように、連邦緊急事態管理庁(FEMA)が発行した洪水保険料率地図(FIRMs:Flood Insurance Rate Maps)で示された全米洪水保険計画(NFIP)の洪水保険指定地域は、該当地域における洪水害の特徴と規模を示している。第6章で説明されているように全米洪水保険計画(NFIP)に参加する自治体はこれらの保険地域の指定を用い、いずれかの当該年度で1パーセント以上の確率を持った洪水(また基準洪水とも呼ばれる)による氾濫に見舞われる可能性がある地域である、確認された特別 洪水害地域(SFHAs:Special Flood Hazard Areas)における建設を規制する。特別洪水害地域(SFHA)に関連する洪水の標高を、基準洪水標高(BFE:the Base Flood Elevation)と称する。

 本マニュアルでは、全米洪水保険計画(NFIP)の標高要件を論じる際、用語「基準洪水標高(BFE)」を使用するが、全米洪水保険計画(NFIP)の例よりもさらに厳しい洪水原管理要件を実施することを自治体が選択する場合、そのような状況の説明には設計洪水標高(DFE:Design Flood Elevation)という用語を導入する。例えば、自治体の多くは基準洪水標高(BFE)以上の余裕高を求め、自治体によってはさらに厳しい洪水条件に向け規制するものがある。自治体が全米洪水保険計画(NFIP)の最低要件を超える選択をした場合、設計洪水標高(DFE):は基準洪水標高(BFE)より高くなる。自治体の要求が全米洪水保険計画(NFIP)の要件と同じ場合は、設計洪水標高(DFE)と基準洪水標高(BFE)は同等となる。

 現在、全米洪水保険計画(NFIP)は特別洪水害地域(SFHAs)の洪水害を区別 するため、二種類の地域を使用している:V地域とA地域である。これらの地域は以下に説明されている(第6章には詳細に述べられている)。さらに、以下は、本マニュアルのため特別 に定義された、沿岸A地帯として知られている、第三の地域の説明である。

V地域 − 沖合から外洋に面した沿岸に沿った最初の前面砂丘の内陸境界線まで広がる、特別 洪水害地域(SFHA)の区域と、嵐や地震が原因で起きる高速波作用を受けやすい、その他のすべての地域。V地域はまた、沿岸部高危険度地域とも呼ばれる。V地域の要件には、高速波作用に関連した追加の災害について説明がなされている。

沿岸A地域 − V地域の特別洪水害地域(SFHA)の陸側にある区域、またはV地域の地図に入っていない外洋に面 した区域(例えば、五大湖の汀線)で、そうした所の洪水の主な原因は、天文潮、高潮、Seiches(長周期の水面 振動)、または津波であり、川が原因のものではない。V地域における洪水の力のように、沿岸A地域のそれは沿岸部の風か沿岸部の地震活動と強い関連性を持っている。沿岸A地帯は、したがって波の影響、速度のある流量 、侵食、洗掘、あるいはこうした力の組合せに曝されていると考えられる。全米洪水保険計画(NFIP)の規定では、沿岸と非沿岸A地域の区別 はしていないが、沿岸A地域の建物は、非沿岸A地域の建物より波の影響、速度のある流量 、侵食、洗掘などを含む洪水の力に対し、一層抵抗力のある設計と建設をすべきであると、本マニュアルでは勧告する(第6章第6.5項を参照)。

非沿岸A地域 − 特別洪水害地域(SFHA)の区域で、洪水の主な原因が降雨、融雪、あるいは両方の組合せからの流出である場所。非沿岸A地域では、洪水による出水は緩やかに、あるいは急速に移動するが、波は通 常建物に対し大きな脅威とはならない。しかし、極端な事例では、長い風域と強風が非沿岸A地域に被害を与える波を生じたことがある。波の影響を受ける可能性がある非沿岸A地域の設計者は、本マニュアルに記載されたいくつかの方法を採用した方が良いと思われる。

X地域 − 洪水の災害が特別洪水害地域(SFHA)より少ない区域。最近の洪水保険料率地図(FIRMs)上に示された陰影のついたX地域(以前のFIRMs上のB地域)は、年間0.2パーセントかそれ以上(500年振りの洪水)の確率の洪水による氾濫に曝されている地域を示している。陰影のないX地域(以前のFIRMs上のC地域)は、年間の洪水の確率が0.2パーセント未満である地域を示している。

 

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