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※「国土庁防災局」は、2001年より、「内閣府(防災部門)」になりました。
カリフォルニア津波プログラムについて
 

意識および備えと軽減のための支持団体の形成
 1992年のロスト・コースト(Lost Coast)地震は、州と地方の津波に対する備えにとっては転換点となった。北アメリカ、ゴルダ(Gorda)、およびカスケード潜り込み地帯(CSZ:the Cascadia Subduction Zone)の南端の太平洋プレートの境界にある、「三叉路」として知られている1箇所の地域の近辺における一連の地震は、高さ1メートル未満の津波を引き起こしたが、地震への対応の間は気づかれないまま去っていた。しかし、沿岸の検潮器からデータを回収したとき、この小さな津波によりカリフォルニアの緊急事態管理当局に衝撃波が走った。沿岸で計測可能な波が生じ、その波は地震から15分以内に沿岸の居住区域に到達していた。当時、沿岸の津波の可能性に気づいた住民は誰もおらず、一緒になった地震と津波に対応する用意をしたものもいなかった。

 カリフォルニアの津波の脅威を詳しく再調査し、州政府のすべてのレベルにおいて備えと対応に関する計画に向け意識を作り上げるため、連邦緊急事態管理庁(FEMA)、米国海洋大気局(NOAA)およびカリフォルニア州の首席代表が、カリフォルニアのロスト・コースト地震の名残の直後に会合を開いた。カリフォルニア州の鉱業地質局は、連邦緊急事態管理庁(FEMA)と同州より財政支援を受け、カスケード潜り込み地帯(CSZ)における地震と津波に対するシナリオを作成するよう依頼された。カスケード潜り込み地帯地震と津波の衝撃を解説した1995年のシナリオが、当局とメディアに広く配布されたため、沿岸地域の開発に関する被害の危険性を減らすためには、市民の意識計画、現地の備えと対応計画、および被害軽減活動の必要があることに両者共気づかされた。津波の発生の脅威と危険に対する現地市民と職員の意識の向上に向け、地域住民の啓蒙計画を開始するため、州は同時にカリフォルニア州大学、フンボルト財団に財政支援を行った。

 レッドウッド・コースト(Redwood Coast)津波ワーキンググループは、脅威に対する意識の継続と、現地政府の被害軽減活動を支援するため、州、連邦政府、現地行政機関、デル・ノルテの市民、およびフンボルトの各郡との間に協力関係を樹立した。

 「北部沿岸のシナリオ」の出版はまた、州と連邦政府の対応計画にとっても刺激となった。シナリオの中の脅威に関する議論および被害や崩壊、さらに人命の喪失に関する内容は、文書が広範囲に配布されたことと相俟って、政府の活動に対する見識ある支援団体を形成するにあたり明らかに力となった。カリフォルニア州、連邦緊急事態管理庁(FEMA)および連邦政府運輸省(Federal Department of Transportation)の間で1995年に始まった議論の結果、そのシナリオに従って北部沿岸対応計画案、および地震と津波への対応に関する連邦政府と州の統合実施計画が研究開発されることとなった。

 

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